しかし、自治体のプレミアム商品券は、たいがい大手チェーンは対象外。日々の食品を買う大手流通系のスーパーでは使えないケースが多い。ドラッグストアもチェーンによって対応がまちまちだ。
かと思えば、コンビニでは使えたりするのだから不思議だ。フランチャイズのため個人商店という扱いなのだろうが、全国一律で同じロゴが付いているコンビニで使えるなら大手スーパーでも使えるようにしてほしいのが消費者の言い分だ。
現在、内閣の支持率低下がはなはだしく、挽回策として生活支援のバラマキは今後も続きそうだ。来年度も自治体を介してプレミアム商品券の発行があるのではと推測している。その際には、ぜひ生活者目線で「使えるもの」をお願いしたいものだ。
冒頭でGo To Eatのチケットは2万円まで買えたのだがやめたと書いたが、購入する店では「いいんですか?」と不思議がられた。ほとんどの人は買える権利上限まで買うのだろう。自治体のプレミアム商品券にいたっては、一家で10万円分購入したという声も聞く。
ここには、「申し込んで当選しないと買えない」という仕掛けが入っていることが大きい。誰でもいつでも買えるなら、それほど焦らないし必要な分を買うだろう。しかし、当選した=多くの参加者の中から選ばれて、買える特権を与えられた――となったら話が変わる。その権利を無駄にするなど考えられない、買わなくては損だと思ってしまう。なかなかひねられた仕組みなのだ。
さらに、そうやって先払いした商品券には期限がある。期限を超えたらそれは紙切れとなる。何が何でも使い切らねばならない。この物価高のご時世、1円でも無駄にしたくないはずなのに、商品券を使い切るために必要でないものを無理やり買うのは二重三重に無意味な消費だ(店側にはありがたいので、趣旨には合っているが)。
こうした無意味な消費を避けるためにも、商品券を購入する前にどこで使えるかを確認することは欠かせない。消費には、生活必需消費と不要不急の余裕消費がある。食費や日用品など、毎月必ず使う生活必需支出に使うのが最も効率的だ。大手スーパーはダメだとして、他に食品を扱っている店はどうか。普段利用するコンビニやドラッグストアではどうか。期限ぎりぎりの駆け込みでどうでもいいものを買わないためにも、扱い店のリストを確認したうえで申し込むべきだろう。
筆者が買ったプレミアム商品券は、地元の酒屋で使えるのでアルコールを買いだめするか、それともマッサージ店でいつもより長いメニューの施術をしてもらうか。利用期限が来る前に有効な組み合わせを考えなくては――。