中国発激安ブランド「SHEIN」パクリ疑惑続発で“無法地帯”に…『ONE PIECE』『ポケモン』『セーラームーン』などに激似

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「SHEIN」公式サイトより

 YouTubeやInstagramなどで人気インフルエンサーたちがこぞって「爆買い」をアピールするなどし、若者層からの支持が急拡大している中国発のファストファッションブランド「SHEIN(シーイン)」にパクリ疑惑が持ち上がっている。1点、2点の話ではなく、数え切れないほどのパクリ疑惑商品が指摘されたことで物議を醸しているようだ。

 「SHEIN」は、150以上の国や地域でネット通販事業を展開。コロナ禍による通販需要の増大を背景に急伸し、非上場企業であるため正確な売上高は公表していないものの、中国メディアの報道によると年間の世界売上高は200億ドル(約2兆7860億円)に達し、ユニクロを運営するファーストリテイリングの2兆2500億円(2022年通期業績予想)を超えたと伝えられた。その勢いに乗って、11月13日には実店舗のショールーム「SHEIN TOKYO」が東京・原宿にオープンしている。

 インフルエンサーを使った広告展開も急成長の秘密のひとつで、YouTubeで検索すると「SHEINで〇万円分を爆買い!」といった“案件”とみられる動画が大量にヒットする。テレビの情報番組でも大々的な特集が組まれた。そうした宣伝戦略で「安くておしゃれな物がほしい」という若者世代の心をつかみ、ユニクロを超えるほどの売上高に至ったといえる。

 しかし、人気が拡大するにつれてSNS上で多数の「パクリ疑惑」が指摘されるようになった。先日、コンビニで限定発売されているアイス「たべる牧場ミルク」のパッケージの牛のキャラクターを描いたデザイナーが、自身のTwitterで「SHEIN…堂々とやってくれてますな」とパクリ被害を報告。牛のキャラクターが「ほぼそのまま盗用されている」と疑われるものがSHEINの商品にあり、この告発は大きな話題となった。

 これ以前からパクリ疑惑はささやかれており、ラルフローレンそっくりのロゴが入ったポロシャツ、ルイ・ヴィトンのモノグラム柄そっくりなデザインのポーチなどが販売されていた。人気ブランド以上に「日本のキャラクターの模倣・盗用」疑惑が目立ち、人気ゲーム『ポケットモンスター』シリーズのメタモンを思わせるデザインのスマホケース、人気アニメ『セーラームーン』のアイテムに酷似したアクセサリー、人気漫画『ONE PIECE』のゴムゴムの実そっくりのAirPodsケース、人気ゲーム『どうぶつの森』のキャラに似たステッカー、現代美術家・村上隆氏の代表作である花のキャラクターに激似のピアスなど、無数の「疑惑の商品」が扱われている状況だ。

アメリカでは有名ブランドと複数の裁判沙汰

 すでにアメリカでは、人気靴ブランドのドクターマーチンやアパレルブランド・ステューシーなどと商標権侵害などで裁判沙汰となっている。裁判は和解となったものの、誰が見ても「パクリではないか」と思ってしまうようなレベルだった。

 先述のアイスのキャラクターを模倣されたと訴えたデザイナーに対し、SHEIN JAPANの公式Twitterは「弊社はこちらの投稿にてご指摘頂いた内容をとても重視しており、 現在調査を進めています。よりタイムリーなご連絡をご希望する場合は、DMまで直接ご連絡ください」とコメントを送っており、どこか高圧的にも感じられる文面だったことで炎上騒ぎまで発生している。

 昔から中国企業は「著作権意識のゆるさ」を指摘されることが多かったが、SHEINは中国国内の市場を無視して「海外市場」のみで勝負し、グローバルに展開しているので余計に問題が大きくなったとみられる。現状は「無法地帯」ともいえる状況となっているが、いずれ日本でも裁判に発展するケースが出てくる可能性がありそうだ。