英語バーをオープンするにあたって、周りから心配の声が上がったのが、スタッフの採用問題だった。
「男性客が一人で来店しても会話が楽しめるように、女性のスタッフを多く置きたいと考えていました。周りからは、『そんなハイスペックな女性がいるのか?』という声もありましたが、僕はまったく心配していませんでした。大学生の場合、英語ができる人であれば、時給でいえば、家庭教師や塾講師のバイトもありますが、働ける時間が短いため、結果、稼げるお金はそう多くない。その点、『Sick!』なら得意の英語を話しながら、1日8時間働くこともできる。そして、スタッフにとっても『Sick!』が英語を話せる場所となるため、働きたいという人は多く、応募は100人を超えました」
スタッフには、帰国子女もいれば、完全に日本のみで英語を学びネイティブレベルになっているスタッフもいる。スタッフの英語勉強法を聞いてみるのも参考になるかもしれない。西山氏自身も英語スキルを磨きたいため、時間があれば『Sick!』に通っているという。
「スタッフとの会話だけでなく、英語だとお客さん同士も話しやすい雰囲気があり、僕も自然と会話に入ることもあります。型にハマった英語学習よりも、楽しんで英語を使うことができると、僕自身が実感しています。
『Sick!』はスラングで“超イケてる、ヤバイ”という意味に使われています。スラングがわかるくらいに英語を体験してほしいという願いを込めた店名です。僕が『Sick!』で英語が上達すれば、英語学習の新しいモデルを提案したことになり、英語ビジネスでのシェアを取れるのではないかと考えています」
楽しみながら英語を学びたいという人は、一度足を運んでみてはいかがだろうか。
(取材・文=道明寺美清/ライター)