4月に入社した新卒社会人が会社で働き始めてはや半年。
そろそろ会社員生活に慣れ、仕事に意欲的な人であれば、早く成果を出して会社に認められるために何をすればいいか、周りを見回す余裕が出てきたころかもしれない。
しかし、仕事で一流になりたいか、それとも仕事はほどほどに他のことを充実させたいのかは価値観次第だが、仕事に燃えるタイプの人は「一流」になるために知っておくべきことがある。
『伸びる新人は「これ」をやらない!』(冨樫篤史著、安藤広大監修、すばる舎刊)は、ここからさらに仕事の実力を伸ばしていく新人が「やること」と「やらないこと」に注目し、新人社員に必要な行動や考え方を解説していく。
会社員生活になじみ、仕事に慣れてきた時期は、自分の会社の悪いところや改善すべきポイントが見え始める時期でもある。
だから、つい「うちの会社はここがダメだ」といった会社へのダメ出しを、同期や学生時代の友達を相手にやってしまいやすいのだが、「(社員である)自分が会社の悪口を言う意味」をわかっていないと、最終的に自分が損をしてしまう。
本書によると、人間の意識構造は「コミュニティとそこに属する個人を“一体”として見る」。つまり、自分の所属するコミュニティ(会社)を悪しざまに言う人に対して、相手は基本的にいい印象を持たないのだ。
言いたいことを言ってストレスを解消したい気持ちは誰しも持っているはずだが、「伸びる新人」は、特に対外的には決して会社の悪口を言わない。「会社の社会的な評価を高めることが、その会社の社員である自分のつとめ」だとわかっているからだ。
同僚や先輩と気軽に話せる関係を築いておけば、職場での居心地は良くなるし、仕事をするうえでのストレスも軽くなるはずだ。
もちろん、これは悪いことではないが、「チームの仲がいい状態」というのは、仕事で目標を達成するための「結果」であって、「条件」や「前提」ではないという点は理解しておくべきだろう。本書では「チームの和がないから力を発揮できない」というのは、言い訳にすぎないとしている。
各々が責任をもって、任された仕事をこなしていくことでチームとしての目標を達成していくのが、本来の仕事のありかただ。それであれば、個々人があえて仲よく必要はない。
「伸びる新人」は仲のいい組織でなければ働きたくない、とは思わない。自分が結果を出すことで、チームの仲を良くしようと思うのだ。
職場で、何か仕事に困っているらしい同期の社員がいる。周囲を見ると、先輩社員は見てみぬふり。助ける様子はない。
学校であれば、こんな時は声をかけて手伝ってあげるのがあたりまえかもしれない。しかし、会社では、それは正しくないどころか「ルール違反」になりえる。
会社では、新人も含めて誰もに「求められている成果」があり、その成果を得るためにやるべき業務の範囲が決まっている。誰に頼まれたわけでもなく、自己判断で困っている同僚を手伝うのは、この“守備範囲”を勝手に変えることに他ならない。たとえ助け舟を出すにしても、誰に頼むかは上司の仕事である。
会社がどういうメカニズムで動いているかを把握して、自分に許されている行動とそうでない行動をわきまえる。この察知能力も、伸びる新人には欠かせない資質だろう。
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本書では、人間の思考パターンのメカニズムから、会社員(特に新人)がとるべき行動、あるいはとらない方がいい行動を解説していく。
これから仕事で実力をつけて、バリバリ働きたいという若手社員はもちろん、「若手社員がなかなか戦力化しない」という会社の管理職にとっても、学ぶべきことは多いはずだ。(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。