くりぃむしちゅーの有田哲平が26日、自身のYouTubeチャンネル「有田哲平のプロレス噺【オマエ有田だろ!!】」を更新。賛否を呼んでいるフワちゃんの女子プロレスデビューについて「プロレスはおふざけでできるものじゃない」「真摯に取り組んでいると思う」と芸能界屈指のプロレス通の立場から私見を語った。
フワちゃんのプロレス参戦については、今月11日に人気女子プロレス団体「スターダム」の大会に本人がサプライズ登場して発表。すでに4カ月間にわたってスター選手の葉月や岩谷麻優、飯田沙耶らの指導を受けたとし、リング上で受け身を披露して「もう後戻りできないぞ。感動するような試合、絶対頑張ります」と決意を語った。デビューの場は、10月23日に開催される東京・アリーナ立川立飛大会になるという。
だが、これにスターダムで暴れ回っているヒール軍団「大江戸隊」が反応。リーダーの刀羅ナツコは自身のTwitterで「たった4ヶ月の練習で感動する試合?笑っちゃうね。さすがタレント様だね。笑」と切り捨て、女子プロレス界トップ級の人気者であるスターライト・キッドは「フワちゃんに限らず、プロレスを甘く見てる奴らなんかはこのリングに上がれない。上がって欲しくない。つか上がらせねー」と言い放った。
ただ、これはヒール流の「歓迎」でもあり、スターライト・キッドは「でも今のフワちゃんの多忙な中で本気で取り組んでデビュー出来たら褒めてやるよ」とエールも送っている。
しかし、25日に放送されたバラエティ番組『行列のできる相談所』(日本テレビ系)でフワちゃんのプロレスデビューが番組内の企画だったことが明かされると、ネット上のプロレスファンを中心に「プロレスをナメているのでは」「もしケガしたら責任とれるのか」「本気なら応援したいけど、テレビの企画ならやめてほしい」などと批判的な声が噴出。賛否両論が巻き起こっている。
こうした状況を受けて、たまたま11日の発表の場に観客として居合わせたという有田は「会場の雰囲気はおおむね盛り上がっていた」と証言。物議を醸していることについては「賛否あること自体がすごいこと」とし、過去の大相撲の元横綱・輪島大士のプロレス転向や、暴動事件まで起きた「たけしプロレス軍団」の登場などと比較して「話題になるものは賛否ある」と指摘した。
続けて「人気があるからリングに上げよう、上げてしまえば何とかなる、なんて甘いものではない」としつつ、ムチを手にした「インリン様」として「ハッスル」で活躍したインリン・オブ・ジョイトイや、DDTプロレスリングで王座を獲得したこともあったLiLiCoらを例として、芸能人であっても「魅せ方、たたずまい」などと工夫することで観客を感動させるレスラーになれる可能性はあると語った。
また、以前からプロレスデビューについて相談されていたという有田は「最近のフワちゃんはアザだらけ。楽屋で首が痛い、膝が痛いと言っている」「フワちゃんのキャラだと『真面目にやってるのかな』と思いがちだけど、ちょっと練習の仕方とかヤバイですよ」とフワちゃんのプロレスへの取り組み方の印象を明かした。
だが、その一方で「プロレスはおふざけでできるものじゃない。ちゃんと仕上がっているのか、冷やかしじゃねえかとなるのか」「友だちだから『いいよ、いいよ』というつもりはない。ナメてかかってもらっちゃ困るよ」とし、芸能界の先輩とプロレスファンという両方の視点からフワちゃんのデビューを見守りたいと語っている。
フワちゃんは観客の心をつかむスター性や所作の魅せ方などは十分に素養がありそうだが、やはり心配なのは安全面だ。
09年には「ハッスル」でレスラーとしても活躍していたお笑いタレントのレイザーラモンHGが試合中にリングから場外へダイブした際に左足かかとを粉砕骨折。全治8カ月の大けがとなり、プロレスだけでなくタレント活動も休止を余儀なくされたことで、その後の芸能人生が大きく変わってしまった。当時のHGはかなりのプロレスキャリアを積んでいたはずだったが、それでも大けがは避けられなかった。
本職のプロレスラーですら負傷は日常茶飯事で、深刻な後遺症が残るケースや命を落とすような事故が起きることもある。入念に準備したとしても、リング上でテンションが上がりすぎると練習でやったこと以上のことをやろうとし、アクシデントが起きるおそれがある。
フワちゃんのプロレスデビューまでの道のりは『行列のできる相談所』内で密着企画として放送されていくそうで、今後もさまざまな意見が飛び交うことになりそうだ。