デジタル社会となった現代はとかくビジネス環境の変化が激しく速い。
企業にとっては社内の先輩たちの経験やノウハウがあっという間に陳腐化し、背中を見て学ぶという方法が通用しなくなってきている。その影響を受けるのは人材育成である。
これからのビジネスで求められるのは、教わったことを忠実に実行するだけでなく、自ら考えて実行する自律型の人物。そうは言われるが、そんな人材はいったいどうすれば育つのか?
『社員が「いつの間にか」成長するスゴイ育て方 自ら動く社員をつくる最高の人材育成』(富士通ラーニングメディア著、ダイヤモンド社刊)はこんな企業の悩みや疑問に答え、人材育成において「人」に関する悩みから解放されるために必要なノウハウを紹介する。
社員が自律的に育つ人材育成には、6つのステップがある。
変化が激しい時代だからこそ、ぶれないための指針が必要になる。人材戦略に求められるのは、多様な「一流」たちを生み出すこと。そして、多様な一流たちが共創してビジネスを生み出していくための指針を立てることが重要になる。
しくみとは、維持するためのものではなく、変えるためにこそ存在する。
定着というと、社員全員に浸透するという解釈をしがちだが、変化が激しい現代では、全員に浸透する頃にはもうそのしくみは陳腐化してしまう。なので、ここでも変化し続けることが前提となる。「定着=しくみや施策の評価ができるまでの時間」とし、しくみをこれまでよりも細かなサイクルで評価し、さらに改善していく。
「一人前」ではなく、社員それぞれが自分の持ち場で最高の成果を発揮する「一流」をたくさん育てることが重要。現場に自律した人材をうまく配置できるかどうかで、企業の実績は大きく左右する。
社員1人1人の現状を客観的な数字で示してあげることで、社員自身が自分の課題を認識し、成長していける。人材力診断は社員の自律性を高めることにつながる。
タレントマネジメントは、自社の社員の「最適な育成」と「最適な人材配置」を実現しようという考え方。「一流」を育てるためには、そもそも資質や適性のある人材を選ぶことが必要となる。特に適切な人材配置は重要で、配置を変えるだけでパフォーマンスが上がる人材はいくらでもいる。適切な人材配置は、何年もかかる育成に対して費用対効果は高い。
突然、優秀な部下が辞めてしまう、売上や利益を任せられる人材が育たないなど、人材育成に悩む企業は多いはず。経営、人材育成や現場のチームづくりに携わる人は、本書の自律型の社員を育てる方法を実践してみてはどうだろう。(T・N/新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。