値上げラッシュの今、金券ショップ「商品券」購入で家計を節約すべき理由

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(「gettyimages」より)

 7月と8月に3000品目を超えるモノ・サービスの値上げが予想されています。主力電力会社やガス会社も使用料の値上げを表明していることから、家計には厳しい夏となりそうです。値上げは夏だけではなく秋も冬も続くと予想されているため、家計への打撃は通年となりそうな雰囲気。消費者物価指数の上昇率は4月、5月ともに前年同月比2.5%(総合)で、欧米の上昇率と比較すれば穏やかな上昇ですが、購入頻度が高い食料品や日用生活品などの上昇率が大きいことから、値上げに対する実感は消費者物価指数の数倍と思われます。

 値上げにより家計の購買力を低下させないためには、物価の上昇率以上に収益を確保していく必要があるでしょう。欧米のように8%近い消費者物価指数の上昇は考えにくいものの、足下2.5%の上昇が3.0%になるのは、もはや絵空事とはいえないはずです。預貯金の利息や個人向け国債の利子では、せいぜいその1割程度しかカバーすることができません。

「資産運用」で上昇率をカバーするには、株式や投資信託などを資産に組み入れる必要があります。ただ、これまで投資を行ったことがない人にとっては、株式や投資信託を購入するのは敷居が高いはずです。2022年の上半期を振り返ると、株式市場の乱高下が激しいことから、慣れた人でなければ投資には足がすくんでしまうのではないでしょうか。

値上げ分の5割以上をカバー?

 そんな投資初心者には、株式などへ投資する前に家計の支出を見直すことを提案したいと思います。支出の見直しといえば「節約」が真っ先に浮かびますが、今回は支払い方法の創意工夫にフォーカスしたいと思います。キャッシュレスが進んでいますが、あえて商品券金券ショップで購入して買い物を行うことを第1歩とします。

 商品券といってもいろいろありますが、JCBやVISAなどのクレジットカード会社が発行する商品券の活用です。残念ながらおつりは出ないものの、額面1000円に対して981円~985円前後で販売されています。割引率に直せば1.5~1.9%。2.5~3.0%には届かないものの値上げ分の5割以上をカバーすることができるのです。

 ポイントは金券をどこで購入するかです。東京都内でいえば新宿や新橋は競争が激しいため、割引率の高い商品券が見つかる可能性が高い。また、ランチを含む外食で利用したいのが「ジェフグルメカード」です。カードと名称が付きますが、商品券と同じようなもので全国3万5,000もの加盟店で利用することができます。金券ショップにおける割引率は4.0~7.5%とクレジットカード会社の商品券の2~5倍もあり、消費者物価指数の上昇率を十分カバーすることができるのです。

 ファミリーレストランのほかファストフード店、居酒屋でも利用できます。お店での食事のほか、テイクアウトや店舗によってはデリバリーでも対応可能です。商品券ジェフグルメカードの良いところは有効期限がないため、自宅や職場の近く、あるいは外出先の加盟店などで利用できるのです。

 日本人はポイント好きといわれますが、物価の上昇局面でのポイントの活用はお勧めできません。ポイントには利息が付かないことから時の経過と共に購買力は低下してしまううえ、ポイントには期限があるため失効して使い切れないケースが多々あるからです。また、ポイントは企業にとっては債務ですから、業績の悪化などにより交換数の改悪が行われることもあり得るからです。キャシュレス時代には逆行しますが、日頃から金券ショップを覗く癖を付けておけば物価の上昇にも相応の対応ができることでしょう。掘り出し物も見つかるかもしれません!

(文=深野康彦/ファイナンシャルリサーチ代表、ファイナンシャルプランナー)