失敗とまで言われた千葉ニュータウン、評価大逆転で「住みやすさ」急上昇の理由

「北総線は運賃が高いことで知られています。千葉ニュータウンは1990年代に分譲されたニュータウンで、比較的手頃な価格だったため、当時の若いビジネスパーソンが多く購入しました。その方々が今は50代後半から60代前半になり、年齢につれて社会的地位も高くなったものと思われます。また、もともと社会的地位の高い購入者が多かった可能性も高く、その方々がそのまま住み続けているという住民の特性が、千葉ニュータウンの評価につながっています。

 そういう意味では、千葉ニュータウンは神奈川県横浜市都筑区を中心とする『港北ニュータウン』と住民属性が似ています。いずれも、都心に通勤するホワイトカラーの方々が多く住んでいる地域です。ちなみに、『街の住みここちランキング2022<神奈川県版>』では、横浜市都筑区が自治体のトップです。

 また、今回は前調査にあった『イメージ』という項目を削除し、新たに『防災』を設けました。従来よりも、地震や台風など自然災害に強い地域への関心が高まっています。千葉ニュータウンのエリアである『印西牧の原』『印旛日本医大』(成田スカイアクセス線)や『千葉ニュータウン中央』は津波のリスクが低い地域なので、防災面での評価が高くなっていることは注目点です。調査開始以来の4年間で大きく変わった点は、災害に対する意識といえます」

※後編へ続く

(文=長井雄一朗/ライター)