現在の7例という報告数からすると、海外で報告される集団発生とは異なる可能性もあり、冷静に今後の推移を見るべきだろう。
肝炎の初期は目立つ症状が乏しく、普段の健康観察を十分に行う必要がある。
「子どもの場合、“食う・寝る・遊ぶ”が大事です。食事、睡眠が取れない、遊ぶ元気がないといった変化があれば、なんらかの不調と考えるべきでしょう。肝機能の低下を調べるには、血液検査が必要となりますので、そういった症状が続く場合には、早めに医療機関を受診することをお勧めします」(同)
小児の急性肝炎については詳細が不明なことも多いが、ウイルス感染などの場合、人から人への感染が起きる可能性も考え、対策をすべきだろう。
「ウイルス感染の場合、飛沫、経口感染などが考えられるため、アルコール消毒、手洗い、うがい等を心がけてください」(同)
基本的には新型コロナウイルス対策と同じで、いまや日常的になっているが、あらためて留意して生活したい。
(文=吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト)
吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト
1969年12月25日福島県生まれ。1992年東北薬科大学卒業。薬物乱用防止の啓蒙活動、心の問題などにも取り組み、コラム執筆のほか、講演、セミナーなども行っている。