60代以上が意外とTikTokを使っている…「睡眠と学校以外はスマホ漬け」の10代

日影 10代の場合、学校のない休日は利用時間が大幅に増えて、上記のグラフはそれらも含めた平均だということを考慮する必要がありますが、睡眠が7時間、学校で授業を受けている時間が6時間とすると、1日のそれ以外の時間は11時間で、そのうち半分弱の5時間はスマートフォンを見ていることになります。さらに、これにゲームの時間も加わりますから。固有のゲームアプリを入れだすとキリがないため、今回ゲームは外しています。

――そうなると、余暇時間のほとんどは「SNSや動画やゲームでスマホを見ている」感じなのでしょうね。また、10代の話を聞くとInstagramの存在感が増してきていると思うことが多く、Twitterに迫っているのかなという印象があったのですが、10代の2021年からの利用時間推移を見ると「TwitterとInstagramではTwitterが頭一つ上」という状況はずっと変わらないですね。なお、Instagramは5アプリの中ではどの世代でも利用時間が一番短いですね。

意外にTikTokを利用している60代以上

60代以上が意外とTikTokを使っている…「睡眠と学校以外はスマホ漬け」の10代の画像5

日影 次に60代以上を見てみましょう。5アプリの1日の平均利用時間は約2時間です。次に紹介する30代が約3時間なので、60代以上と30代の利用時間を合計すると、10代の利用時間(約5時間)とほぼ一致します。ただ、特に60代ですと、先ほどお話したように、この5アプリをすべてインストールしているとは限りませんが。

――――自分のスマートフォンに該当アプリをインストールしている人が前提、のデータではありますが、一方でアプリをインストールしている60代以上は、案外活用しているとも言える結果ですね。YouTubeの平均が約45分というのも、案外見ていますね。老眼もあるだろうし、大きい画面の方がいいのでは……と思わせる意外な結果です。

 あと、TikTokがInstagramやTwitterよりも利用時間が多いのも意外でした。60代のアプリ利用動向の2021年からの推移を見ても、他の4アプリがおおむね横ばいの中、TikTokは2021年からゆるやかながら右肩上がりになっていますね。

最も「InstagramよりTwitter派」の30代

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日影 最後に、30代の5アプリの1日の平均利用時間は約3時間となりました。

――TwitterInstagramの関係に着目すると、10代は「Twitterが頭一つリード」、60代以上は「どちらもほぼ一緒」な状況でしたが、30代は「Twitterの利用時間がInstagramの約2倍」の傾向が2021年から続いており、最も「InstagramよりTwitter派」であることがわかりますね。

 また、今回の調査期間である2021年1月から2022年4月にかけては、緊急事態宣言、まん延防止等重点措置が発令された時期もあったり、一方でそれらの縛りがなく人々の外出が活発な時期もあったりと、さまざまでした。しかし、この結果を見ると、そういった社会情勢に伴う利用時間の変化もあまりなく、これらの5アプリが日常にしっかり根付いているともいえますね。

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 後編では、若者のYouTube利用の実態について、引き続き日影氏に話を聞く。

(構成=石徹白未亜/ライター)