東芝に外資系ファンドがTOBの動き…非上場化も現実味、再建策が空中分解

 臨時株主総会で会社提案が否決されたため、早急に戦略の立て直しを迫られる事態となった。経営計画の見直しにとどまらず、現経営陣が距離を置いてきた非上場計画が一気に浮上し、現実味を帯びてきた。

筆頭株主のエフィッシモはベインがTOBなら応募する

 ロイターは3月31日、米ベインキャピタルが東芝株を株式公開買い付け(TOB)した場合、エフィッシモは保有株をすべて売却する方針だと報じた。エフィッシモが31日、関東財務局へ提出した変更報告書で明らかになった。エフィッシモは東芝株の9.90%を保有。変更報告書によると、ベインや関連する投資ファンドが東芝株へのTOBを開始した場合、全保有株の売却に応じる契約を結んだ。ベイン以外の第三者のTOBには応じない。ベインはキオクシアホールディングスの筆頭株主である。3月31日、ベインはHPに「非上場化の実現に向けて解決すべき課題が多く、東芝経営陣とも対話を進める」とのコメントを出した。

 東芝の非公開化をめぐっては、21年4月、英投資ファンドCVCから買収提案があった際にも浮上した。車谷社長がCVC日本法人の会長を務めていた経緯があることから、この買収提案には「不透明」との批判が噴出し、車谷氏は社長辞任に追い込まれた。

 ベインによる東芝の株式非公開化計画の歯車が回り始めた。

(文=Business Journal編集部)