NTT接待問題で退官の谷脇元総務審議官がNTT関連会社に再就職…公務員倫理の問題

「歴代随一の“携帯官僚”を身内に引き入れることで法人案件が受注しやすくなるほか、豊富な業界知識を活用した新サービス開発も見込める。さらに、総務次官候補だった経歴から古巣の総務省側に格安スマホ業者側に有利な規制緩和などを働きかける人脈もコツも心得ている理想的な人材だ」

IIJは谷脇氏を接待したNTTの関連会社、再就職には批判の声も

 一方で、IIJは谷脇氏が接待を受けていたNTTの関連会社だ。IIJのホームページにも「NTTは、当社のその他の関係会社に該当し、2021年3月期末現在、NTT及びNTTコミュニケーションズはあわせて当社の議決権比率の26.9%を所有しております」と明記されている。国家公務員倫理規定に違反する高額接待を受けた谷脇氏が当の接待企業の関連会社に再就職することに対しては、「あからさまな天下りで非常識」「特定企業に便宜を図れば悪いことをしても、その企業で囲い込んでくれる悪い前例をつくった」などとの批判が少なくない。IIJ副社長に6月末に就任する谷脇氏の動向に注目が集まっている。

(文=Business Journal編集部)