「コロナ禍で、第2の足の裏である太ももの裏側が硬くなって体に不調をきたしている人は、本当に増えました。しかも、簡単には治すことができない状態にまで悪くなっている人もたくさんいらっしゃいます」(同)
また、ゴルフなど、運動後に行う大事なケアを指摘している。
「私はツアーを戦っているプロゴルファーを治療していますが、腰の痛みがどうしてもとれないときに、足裏の筋肉を緩めることで解消した例がたくさんありました」(同)
運動後に限らず、ビジネスパーソンにとって、毎日足裏の筋肉を緩めておくことがいかに大事かを指摘している。
「患者さんによく言いますが、筋肉は使っていないと働かなくなるだけです。だったら、その筋肉が働くように刺激を与えてあげればいいわけです。つまり、眠っている筋肉を呼び起こすことが大切です。痛むところをいくらさわっても、よくなることはほとんどありません。肩、ひざ、腰などに生じる痛みの原因はどこなのか? 筋肉のつながりを理解して、痛みの元となる筋肉を動かし、緩めることが大切なのです」(同)
骨盤の位置を正常に戻すには、背骨、骨盤、太ももをつなぐ腸腰筋(ちょうようきん)のWストレッチが効果的だ。
「これまで、のべ1万人以上の患者さんを診ていくうちに、足に原因がある不調が多いことに気がつきました。長時間のリモートワークや外出自粛などで歩くことが極端に減っている昨今、使わなくなった足の筋肉が硬くなって、体全体に不調をきたしているケースが目立っています」(同)
痛みというのは、自分の体が発している悲鳴。その叫び声を聞いて対応するのが、毎日のストレッチだ。ストレッチを続けていくと、「あれ、ここが硬いぞ。いつも硬くないのに、どうしてかな?」と、自分の体と対話することができる。
痛みや不調といった体からのサインをなかったことにしないで、まずは7日間ストレッチを行い、効果を確かめてみるのがいいという。レオナルド・ディカプリオの治療も行っていた大髙氏が提唱する「Wストレッチ」は、ビジネスパーソンにとって新たな習慣になるかもしれない。
(文=編集部)