買収額は負債を含めて約500億円。大江戸温泉は台湾や韓国などアジアからの客が増え、業績は伸びていた。ベインが持つ外国人向けの販売促進策のノウハウを活用して、訪日外国人をテコに成長を目指す。ベインは11年に買収した外食大手すかいらーくの経営を立て直すなど、チェーン店企業の再生に実績がある。
ベインは大江戸温泉の株式上場を想定していた。だが、新型コロナの感染拡大で計画は頓挫。コロナ禍でインバウンド需要が蒸発したからだ。大江戸温泉物語ホテルズ&リゾーツの決算公告によると、21年2月期の売上高は161億円。コロナ前の20年2月期の381億円から激減した。最終損益は23億円の赤字から107億円の赤字へと赤字幅は拡大。累積赤字は189億円に膨れ上がった。
22年2月期の財務内容は一段と悪化していると思われる。これがベインが売却を決断した理由だが、買い手のローンスターはいかにして、インバウンドが消えた大江戸温泉を立て直すのか。稼ぎ頭だった「東京お台場 大江戸温泉物語」は営業を終了している。ベインの手腕が問われることになる。
(文=Business Journal編集部)