――そのような状況にあって、選手個人のスマホを中国で使わせ、「My2022」をインストールさせた日本の対応は問題があるといえるのではないでしょうか。
三上 日本の危機意識の低さは恥ずかしいほどです。先進主要7カ国は予防措置として、スマホを選手に配布して、個人のスマホを中国に持ち込まないように注意喚起していました。日本は大会3日前になって注意喚起しただけで、スマホの配布は行いませんでした。また、アプリのリスクだけを取り上げ、通信そのものの問題点には触れていません。3月4日から始まるパラリンピックでは選手にスマホを配布するということですから、対応が遅すぎるといわざるを得ません。
――日本選手団としては、帰国後にアプリの削除を徹底させると発表していますが、削除すれば問題ないと考えられますか。
三上 アプリを削除したあとは、あまり危険性はないと思います。むしろ、プリペイド式のスマホなどを使用していたとしても、現地でログインするサービス(メール、メッセンジャー、SNS、ビジネスチャット等)を利用すれば、それらの利用サービス名を知られるという恐れはあります。それらのリスクを選手などに伝えておくべきだと思います。
――ありがとうございました。
今回のアプリや通信に関する騒動で、中国が監視国家であることがあらためて知らしめられた感がある。同時に、日本がIT後進国であることも明らかになったのではないだろうか。
(文=Business Journal編集部)
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