電子マネーはカードを機器にかざすだけで決済ができるというスマートさがメリット。最近では電子マネーカードを取り込めるスマホも普及しているので、利便性は他のキャッシュレス決済とほぼ変わらない。ただし、いずれも事前にお金をチャージする手間が必要だ。
ポイントは決済時での還元はほとんどなく、現金やカードからのチャージ時に付与される。還元率が上がるケースは、相性の良いクレジットカードからのチャージで、例えばイオンカードセレクトからWAONにチャージすればWAONポイントの二重取りができ、還元率は合計1%に。同じく楽天Edyも楽天カードからのチャージで還元率が合計1%となる。電子マネー単体ではあまりお得度がないともいえる。
QRコード決済はスマホで読み込むだけの簡単さがメリット。チャージ時にポイントが付与されることが多いが、基本的には同じグループのクレジットカードと紐づけたほうが還元率も高まる。例えば楽天ペイと楽天カードの組み合わせなら1.5%、PayPayとYahoo! JAPANカードの組み合わせで1.5%という具合だ。また、使用頻度によって還元率がアップするプログラムなどを各社が行っており、使い方次第で高還元率を目指すことができる。
また、電子マネーやクレジットカードとは異なり、大型キャンペーンやクーポン配布などが随時実施されていることも大きい。例えば、PayPayなら抽選で全額還元したり、上限はあるものの、支払いが半額となるクーポンが随時発行されるなど、ターゲットを絞った時のお得度は随一だ。基本還元率はクレジットカード単体よりも低くなるケースもあるが、キャンペーンによってお得になるため、利用するメリットは大きい。
このように三者三様のメリットがあるが、いまトータルで利便性とお得度に優れるのは、やはりQRコード決済だろう。クレジットカードでチャージを経由することでポイントの2重取りや還元率アップが狙え、しかもスマホひとつで決済が完結するので利便性も高い。また、楽天であれば楽天市場、PayPayであればPayPayモールなど同事業者のネットショップを使うことで、そのシナジーはさらに高まる。
また、QRコード決済は口座から直接チャージも可能なので、与信審査の必要なクレジットカードを持っていない人でもポイントの恩恵にあずかれる。
状況によって3種の電子マネーを細かく使い分けるのがベターなのだが、現実的にはクレジットカードでチャージ→QR決済コード決済というパターンがいま最もお得度が高いと言えそうだ。
(取材・文=清談社)