甘利幹事長と河野太郎は犬猿の仲?二階議員の総選挙出馬が自民党内でも波紋

 神澤的には、山口壮議員が環境大臣に就任されたことに驚きました。山口議員は、小沢一郎グループの印象が強いからです。民主党政権で外務副大臣を経験した人が、今度は自民党政権で環境大臣に就任とは、不思議な運を持った人だなと思いました。

 官房長官には、元文科相の松野博一議員が就任しましたね。松下政経塾出身で見た目は地味ですが、優しくて明るい性格ですごく人気がある「アニキ」という感じの方です。

 また、実は大臣に抜擢されても「貧乏くじを引かされた……」と内心がっかりしている議員もいます。選挙に強い議員ならともかく、ギリギリの攻防を迫られている陣営では、大臣になると選挙区に張り付けないので、選挙戦が不安なのでしょう。入閣は政治家の夢のはずですが、そうとは限らないこともあるんです。

総選挙を急ぐ理由は“小池新党”への牽制?

 永田町にとって岸田新首相誕生よりも衝撃だったのは、総選挙の日程前倒しです。

「10月26日公示・11月7日投開票」がほぼ規定路線だったのですが、10月4日の午前中に「10月19日公示・10月31日投開票」との情報が出て、秘書たちはまさに駆けずり回りました。選挙用の機材の準備も前倒ししなくてはならないからです。

 めちゃくちゃ大変なので、日程を早めるのは自民党にとっても得策ではないのですが、10月3日に国政政党を立ち上げると記者会見した都民ファーストの会への牽制なのでしょう。

「なんとしても小池百合子都知事には国政に出てきてほしくない」という岸田首相の気持ちの表れですね。今のところ小池知事は新党立ち上げには関与していないとコメントされていましたが、どうなんでしょうか。

 まさに選挙は、そして政治は「一寸先は闇」です。まだまだ総選挙の結果は予想できません。11月はどのように国内情勢が変化しているのか、楽しみです。

(文=神澤志万/国会議員秘書)