10月の超PayPay祭、かつてない規模に?手数料有料化で加盟店の離脱阻止に必死

 一方、CPM契約店舗では客のアプリに表示されたバーコードやQRコードをレジのバーコードリーダーや、スマホ、タブレットで読み取って決済する。こちらは既存のクレジットカード決済などに使われるネットワークを経由しているため、システム利用料が追加で発生するという。またCPM契約店舗のなかには代理店を介してAirPAYなどでPayPayの利用ができるようになっている店もある。こうした代理店を介した場合、決済手数料は前述のPayPayが定めるものとは異なる設定となっている。例えばAirPAYにおけるPayPayの決済手数料は3.24%だ。

 街中で見かける、ユーザーがQRコードを読み込む店舗と店が読み取る店舗には、こうした違いがある。また、AirPAYなど代理店を介している店舗はPayPayと直接契約していないため、仮にPayPayマイストアを利用したとしても、店舗情報が登録されていない場合もある。そのため、このような一部CPM店舗には今回のライトプランのメリットはほとんどない。

PayPayマイストア普及のためキャンペーンを実施

 PayPayは、これを機にCPM店舗を直接契約へ切り替えさせ、PayPayマイストアのさらなる拡充を狙っているように見える。

 例えば、現在、街のお店や有名店のクーポンをアプリ上に多数展開させるPayPayアプリのテイクアウトサービス「ピックアップ」では10%還元のキャンペーンを実施中。アプリ内のサービスに関係するキャンペーンを多く実施することでユーザーのアプリ滞在時間増加を促しているのは、PayPayマイストア普及のための布石なのではないかと考えられる。

 実際にPayPay取締役副社長執行役員COOの馬場一氏がPayPayマイストアを含む「PayPay for bussiness」でも市場占有率の高い「スーパーアプリを目指す」と語っているように、社をあげてサービス向上を行っていることが伺える。

 また、PayPayは「街のPayPay祭」と題し、自治体単位で還元キャンペーンを多く展開するなど、さらなる普及を目指している。こちらのキャンペーンでは個人店も対象となっていることが多く、PayPay効果を実感させることで、手数料による加盟店の離脱防止を狙っているのかもしれない。

 このようにPayPayと加盟店の間には10月からそれぞれの思惑が渦巻いており、それは我々ユーザーにとっても大きな影響を与えることは間違いない。

 PayPayは10月18日から大型キャンペーンの「超PayPay祭」を開催予定だが、有料化と重なる時期ゆえに、これまでにない販促を展開すると予想できる。有料化によって加盟店の負担は一時的に増えるかもしれないが、ユーザーにとってはお得かつ便利な決済法であり続けることを期待したい。

(取材・文=清談社)