つまり、文化が変わり、人々の意識が変化し、会社もそれに合わせて変化していかなければならない今、マネージャーという仕事の本質も変わらざるを得ないというわけです。
では、次世代のマネージャーには、どんな役割が求められるのでしょうか? それは、「whyを理解して説明すること」と「コーチング・マインドセットを身につけること」です。
コーチングとマインドセットについては、ピンとくる人も多いでしょう。コーチングとは、対話することで相手の目標を見つけて、その達成に向けてサポートすること。マインドセットとは、物事を多角的な視点から見て、先入観や思い込みをリセットすることです。
では、「whyの理解と説明」とはいったい何でしょうか? ここで、少し質問させてください。
・あなたは、会社の理念や使命を知っていますか?
・なぜ仕事をしないといけないのですか?
・仕事をする価値とは何ですか?
・お客さんの得られる幸せは何ですか?
これらの質問にスラスラと答えられた人は、「why」を理解し、説明できていると言えます。つまり、「whyの理解と説明」とは、仕事にまつわるたくさんの「なぜ?」を理解した上で、自分なりの答えを持っているかどうかということです。
これができれば、部下が感じている「なぜ?」に応えることができ、本人が正しいと思う方向へ導くことができます。そのうち、部下一人ひとりが自ら考えて行動するようになり、営業目標やノルマなどの数字は後からついてきます。さらに、人為的なミスが減るだけでなく、クレームの減少も期待できます。
人は「なぜ?」で動くものです。そして、日々の仕事で「なぜ?」が出てくるシーンに一番直面するのがマネージャーなのです。
次回は、次世代のマネージャーの育成方法についてお伝えします。
(松下一功/ブランディング専門家、構成=安倍川モチ子/フリーライター)