自宅で食事する機会が増えたため調理家電も健闘した。ホットプレートの出荷台数は56.1%増、出荷金額は56.8%増の116億円と初めて100億円に乗せた。初もの尽くしがかなりの品目で見られるのが大きな特徴といえる。
トースターの出荷台数は14.9%増。台数増より金額の伸びのほうが大きかったのは、価格が高い高級機種がシェアを伸ばしているからだ。高級トースターブームに火をつけたのはバルミューダの「ザ・トースター」。2万円を超える価格にもかかわらず「おいしくパンが焼ける」と人気を集めた。
テレビなど「黒物」も出荷を伸ばした。電子情報技術産業協会によると、20年度の薄型テレビの国内出荷台数は前年度比18.1%増の572万台。出荷台数は12年以来、8年ぶりの高水準となった。特に50型以上の大型テレビは38.2%増だった。巣ごもりで、家庭で映画などを観る機会が増加し、大型・高画質の製品が売れた。
ノートパソコンも在宅勤務の広がりと、小中学生に1人1台のPCやタブレット端末を配備する国の政策に後押しされ、出荷台数は前年度比56.1%増の1077万台。1000万台を超えた。テレビ、ノートパソコンとも出荷金額の発表はない。
10万円特別定額給付金とコロナ禍がもたらした「白物」「黒物」家電の特需は20年度限り、とみられている。時ならぬ家電バブルは終わりを告げ、21年度は出荷台数、出荷金額とも反動減が必至の情勢である。
(文=編集部)