(3)世帯人数によって保険金額が選択でき、合理的に設定できる
次のように、世帯人数によって選べる保険金額が異なり、合理的に選択できる。
(4)行政が発行する「り災証明書」の認定被害に基づいて保険金が支払われる
地方自治体が発行する「り災証明書」の被害認定で保険金を支払う。地震保険においては、地震被害を受けたら、一般的には鑑定人という被害を鑑定するスペシャリストが、被災状況を調査して、それに基づいて保険金が支払われる。
同社の支払いについて、新村光由代表取締役社長は「弊社では原則として地震被害の調査を行いません。保険金は地方自治体が発行する『り災証明書』の被害認定に基づいて、弊社よりお支払いさせていただきます」と言う。
東日本大震災での支払い事例はどうだったのか。現在、SBIいきいき少短の共同保険引受先である、SBIリスタ少額短期保険(当時は「日本震災パートナーズ株式会社」)の当時の支払い状況を紹介する(商品内容は現在と同じ)。書類が到着してから保険金の振込みまでにかかった日数は平均5.4日、第一号の保険金支払いは14日後の3月25日に振り込まれている。この素早い保険金支払い体制は、現在のSBIいきいき少短にも受け継がれている。被災時の経済的不安に陥った時に支払いが迅速なことは大きな安心となり、魅力的だ。
ただ、先の震災では、行政によっては大混乱から「り災証明書」の発行が大幅に遅れるケースもあったようだ。Aさんの例だ。当時、この地震補償保険に加入していた年金生活者のAさんは、自宅が津波被害で全壊したが、り災証明書がなかなか発行されず、経済的に深刻な状態に陥った。当時の保険会社だった日本震災パートナーズに相談したAさんは「『最小限の保険金額ですが、先に振り込んでおきましょう』と保険会社から申し出があり、温かい心情に感謝しかありませんでした」と述懐する。年金生活者は、全壊被害による経済的なダメージで想像を超える絶望感を抱える。
「当時の事情に応じた特例措置でしたが、弊社の地震補償保険のコンセプトは、被害に遭った方の一日も早い生活再建のお役に立つ理念は今も変わりません」(新村社長)
では、同社の保険金額と被害認定基準はどうなっているだろう。
昨今、耐震対策が進んでいるが、東日本大震災でも津波や周囲の被害状況に連鎖して、耐震対策をしていた建物でも被害を受けた例は少なくなかったと聞く。地震の被災時には、住宅再建費用以外にも、さまざまな生活再建費用がかかることも多い。
Bさんの実例を紹介したい。当時の地震補償保険に加入していたBさんは、家族3人でマンションに居住していた。地震でマンションの柱にひびが入り、半壊認定となった。問題はここからだ。
「管理組合の協議で補修となりましたが、補修費用は管理組合の積立金では足りない事実が発覚したのです。住民の皆さんの話し合いの結果、占有割合に応じて、費用を負担することになりました。補修費用負担分は100万円にも及びました。
さらに、お客様は補修期間中、住み続けることに不安を感じられて、ホテルに滞在されたり、賃貸アパートで仮住いをされたため、仮住いの費用は100万円になったそうです」(新村社長)。
この保険に加入されていなければ、Bさんは預貯金から合計額の200万円を支払わなければならない。
「3人家族のBさんは保険金額600万円タイプに加入されていました。このケースだと半壊認定でお支払いする保険金は100万円となります。そこで、マンションの補修費用100万円は、お支払いした保険金を充当していただきました。Bさんからは『保険に加入していなければ、200万円をすべて預貯金で賄う必要があった。助かった』と言っていただけました」(新村社長)