現役眼科医に聞くブルーライトカット眼鏡の“本当の有用性”…医療団体が抱く憂慮と危機感

ブルーライトカット眼鏡は、「ほぼ効果なし」と結論づけられた「近視抑制眼鏡」と同じ運命をたどるのか

 ちなみにこの眼科医によれば、眼科分野においては過去にも、今回のブルーライトカット眼鏡と同様、その効果について疑問のある商品が売り出されたことがあるという。

「以前、近視抑制効果があるという眼鏡が売り出されたことがありましたが、実際にはその効果は極めて限定的だということが医学的にはっきりし、結局は販売中止されていますね」(前出の眼科開業医)

 日本近視学会の公式サイトによれば、近視予防効果を期待された眼鏡として、「累進屈折力レンズ眼鏡」と「非球面レンズ」の 2種類を紹介。

 累進屈折力レンズ眼鏡とは一般的には老眼鏡として知られ、学童期の子どもにおいて近視を抑制する効果が認められはしたものの、その効果が極めて小さいために一般的には推奨されていないという。一方の非球面レンズを用いた眼鏡にいたっては、その効果を医学的に証明するような結果は得られなかったとされ、両眼鏡ともに近視抑制効果はほぼないと結論づけられているようだ。

 果たして、今回世間の注目を集めたブルーライトカット眼鏡は、この近視抑制眼鏡と同様いずれ消えゆく商品となるのか、あるいは一定の効果アリとして受容されていくのか。今後の行方を見守りたい。

(文=編集部)