似鳥会長は3月31日の決算説明会で、22年2月期の35期連続の増収増益に執念をみせた。偉業ともいえる大記録であることは間違いないが、似鳥会長の“熱量”に比べて株式市場の反応は冷ややかなものだった。一夜明けた4月1日の株価は一時、前日比5%安の2万355円まで売られた。買収した島忠との統合効果に懸念が広がったからだ。
ニトリHDには、島忠のような大きな会社を買収した経験がない。それだけに、統合がうまくいくかどうかを懸念する向きが多いことを示している。島忠との統合効果が上がるかどうかが、35期連続増収増益の決め手となる。
「これからはまったくの異業種でも、流通業なら積極的にM&Aを含めて考えたい。可能性があるならどんどんやる」
似鳥会長はいっそうの拡大路線を敷くと明言した。婦人服の「N+」に続いて、ファミリーレストランに進出するなど事業意欲は旺盛だ。だが、異業種進出にアクセルを踏み込む似鳥会長の姿に「2032年に3000店、売上高3兆円」の目標達成への焦りを感じ取る向きは少なくない。
決算説明会では外資系証券のアナリストから「本業に経営資源を集中してほしい」と率直な意見が出た。22年2月期に35期連続の増収増益を達成して、投資家の懸念を払拭しなければならない。
(文=編集部)