ではこの声明「小児のブルーライトカット眼鏡装用に対する慎重意見」について、実際にブルーライトカット眼鏡を販売している眼鏡量販店サイドはどう受け止めているのだろうか?
今回声明で指摘された小児用眼鏡を含めブルーライトカット眼鏡を扱っている眼鏡量販店として、Zoffを展開する株式会社インターメスティック、JINSを展開する株式会社ジンズホールディングスに、今回の声明についての見解を聞いてみた。
Zoffを展開するインターメスティックは、「小児にとって太陽光が心身の発育に欠かせないものであるという研究結果は弊社も承知しておりました」とした上で、「今回のブルーライトカット眼鏡に関する発表は、小児に対して必要以上の状況においてブルーライトカットを推奨することに対する意見と認識しております」とコメントし、あくまでも“必要以上に着用する”ことが問題ではないかと受け取れる見解を表明。
加えて、「夜間や就寝前にブルーライトをカットすることには、一定の効果が見込まれるという見解もございます」と、声明で言及された体内時計への好影響を取り上げつつも、「今回の発表を受け、より一層正しい情報の提供と、適切な推奨を行えるように努めてまいります」とした。
JINSを展開するジンズホールディングスからは、「今回の件を踏まえ、今まで以上にお客様にあわせた丁寧な接客を心がけるとともに、特にお子さまに対しましては、専門医の処方をお勧めすることや、使用方法についてより啓発していきながら、社会に役立つ企業として精進してまいります」とのシンプルな回答が得られた。
両社ともに、あくまでも選択肢のひとつとして、小児用を含め今後もブルーライトカット眼鏡の販売を継続していく意向のようだ。
6団体による今回の声明をもって、ブルーライトカット眼鏡の効能が全否定されたというわけではない。しかし眼鏡が、目という非常にセンシティブな身体器官を補助するための道具である以上、それを販売する企業側にとっても、最新の医療的知見をふまえた適切な製造・販売姿勢が常に求められることはいうまでもないだろう。
(文=編集部)