新型コロナ下、外食大手で資本増強が相次ぐ。ファミリーレストラン「ロイヤルホスト」を運営するロイヤルホールディングス(東証1部上場)は、総合商社の双日や金融機関から第三者割当増資で約240億円を調達する。
上場子会社、SFPホールディングス(同)で「磯丸水産」や「鳥良」を運営するクリエイト・レストランツ・ホールディングス(同)は、国際会計基準で全額資本として計上できる永久劣後ローンで150億円を調達。長崎ちゃんぽんのリンガーハット(同)も一部が資本と評価される劣後ローンや新株予約権の発行で約73億円を調達した。ダイヤモンドダイニングなどを運営するDDホールディングス(同)は、ワラント債で28億円を調達。子会社だったゼットン(名証セントレックス)は持分法適用会社となり、連結から外した。
いずれも業績悪化で低下した自己資本比率を高めるのが狙いだ。総合商社が自己資本が劣化した外食企業への出資を検討しているとの情報が駆け巡る。コンビニのローソンを子会社にもつ三菱商事やファミリーマートを完全子会社にした伊藤忠商事に比べて小売業への進出で出遅れている三井物産や住友商事がターゲットを物色しているといわれるが、“構造不況”の業態となっている居酒屋には興味がないようだ。
(文=編集部)