(2)投資の勧誘が増えてきた
証券会社等からの営業やその種のメールが増えるのは高値圏の裏返しといえる。顧客に高く買わせて安く売らせるのは、凡庸な証券会社の定番ではある。
(3)若い財テク長者がヒーロー扱いされる
手腕よりも運に恵まれた若手投資家が時代の花形と囃されるのも、バブルの頂点やそれに近い局面でしばしば見られた風景だ。
(4)永久繁栄論が唱えられる
日経平均10万円説や地価の永久上昇論のように極端な強気論が公然と唱えられるのも、上昇相場の終わりによく起こる現象といえる。
(5)米国の金利上昇が始まる
教科書通りではあるが、金利の上昇は確実に株式市場の頭を押さえる。仮に当局が処方を誤れば大崩れにもつながる。今後最も注視すべきであるのは、この点かもしれない。
(文=島野清志/評論家)
●島野清志
1960年生まれ、東京都出身。経済評論家。早稲田大学社会科学部中退後、公社債新聞記者、一吉証券(現いちよし証券)経済研究所を経て92年に独立。以降、教育をはじめ、経済、株式などについての著述、評論活動をおこなう。93年から続く『危ない大学・消える大学』シリーズのほか、『この会社が危ない』『この会社が勝つ』『就職でトクする大学・損する大学ランキング』各シリーズ(共にエール出版社)など著書は100冊を超える。