住宅ローン、実は完済まで平均16年?50代で返済を終える計画術…老後の不安解消

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「Getty images」より

 新型コロナウイルス感染症の影響が続き、先行きが見通しにくくなっていますが、マンションなどの住宅取得意欲はむしろ高まっています。しかし、安易な資金計画ではローン破綻に陥りかねませんし、将来に備えて万全のマイホーム計画を立てたいものです。この時期、どんな点に注意しておけばいいのでしょうか。

コロナ禍でもマイホーム取得意欲が高まっている

 2021年1月には、2回目の緊急事態宣言が発出され、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が深刻な状態が続いています。営業自粛、時短などの影響で収入が減る人、あるいは無くなってしまう人などが多いはずですが、それでもマンションや一戸建てを買おうとする人が増えているというのです。

 マンションに関するポータルサイトの住まいサーフィンが2021年1月に実施した調査によると、図表1にあるように、コロナ禍で「購入意欲が増した」「購入意欲がやや増した」とする人の合計は25.9%と、「購入意欲が減った」「購入意欲がやや減った」の合計9.6%を大きく上回っています。コロナ禍が続くなかでも、調査回数を経るごとに購入意欲を高める人が増えていることがわかります。

 その理由としては、在宅勤務の増加などで自宅の狭さを実感、仕事に集中できる広い家を求める人が増えた、隣近所の物音が気になり、静かな住まいを探す人が増えたといった理由があるようですが、在宅時間の長期化で自分たちの住まいについてさまざまに考えることが多くなった、といった事情もベースにあるのではないでしょうか。

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(資料:住まいサーフィン『マンション購入に対する意識調査』)

購入意欲が高いので成約に至る確率が高まっている

 いずれにしても、マンションや一戸建ての購入に動く人が増えているため、コロナ禍で苦しむ業界が多いなかで、住宅業界は堅調に推移しています。新築マンションの販売においては、モデルルームでの販売をリモート化したり、リアルのモデルルームで受ける場合には、感染対策を徹底して、来場者数を制限していますが、多くの分譲会社では、モデルルームをオープンするとほとんどの物件で入場制限いっぱいの来場申込みがあるとしています。しかも、コロナ禍でも物件を見にくる人たちなので、購入意欲は高く、契約に至るまでの歩留り率も高いとしています。

 また、中古住宅の仲介会社でも、購入を希望するお客は多いものの、それに見合った売却物件がなかなか出てこず、物件探しに躍起にならざるを得ない――といった声が聞こえてきます。

ポストコロナをにらんだ物件を選びが大切に

 しかし、こんな時期だからこそ、ブームに流されるのではなく慎重な購入計画が欠かせません。ひとつには、現在のウィズコロナがいつまでも続くとは限らないという点に注意が必要です。半年後なのか、1年後なのか、2年後なのか、時期は確定できなくても、いずれはコロナを抑制し、以前に近い生活に戻ることができるようになるはずです。

 そうなると、在宅勤務が減って、通常通り通勤しなければならなくなり、自宅のワークスペースが不要になる事態もあり得ます。また、通勤しなくてもいいからと、通勤時間の長い郊外や地方の物件を買ったら、通勤が戻ってきて、たいへんな思いをしなければならなくなった――といった事態も想定されるます。

 勤務している会社がテレワークなどにどのような考え方を持っているのかなどを十分に把握して、将来設計を間違わないようにしなければならなりません。

無理のない資金計画でローン破綻を防ぐ

 第二には、コロナを抑制できたとしても、すぐに社会・経済が元通りになるわけではないだけに、資金計画は従来以上に慎重にするべきです。いつ収入が減るかわからないし、最悪の場合、勤務先が倒産といったリスクも、これまで以上に大きくなるのではないでしょうか。そう考えれば、何よりも無理のない資金計画を立てる必要があります。控えめの予算で、自己資金比率を高め、年収に占める年間返済額の割合である返済負担率を低く抑制することが大切なのです。