人気のプログラミングスクールの罠…高額な受講料が無駄に?“転職保証型”の盲点

 スクール側としては、当然ながらプログラミングを教える人件費などが発生していますし、誰も彼もに返金していたらビジネスとして成立しなくなってしまいますので、最後の最後まで返金はしたくないというのが本音です。『就職できなくても返金される』と軽い気持ちで受講しようとせず、返金の条件をしっかりと確認したほうがいいでしょう」(森川氏)

 逆に、プログラミングスクールを利用することのメリットはあるのだろうか。

「RIZAP(パーソナルジム)のように第三者に管理してもらいながら、モチベーションを上げつつ、プログラミング学習ができることはメリットでしょうが、就職や転職ができないとなれば、60~70万円といったコストに見合った投資とはいえません。

 プログラミングスクールではカリキュラムの質のそこまでの差はなく、実務経験のない方や最近まで受講生だった方を講師として雇っているスクールも存在します。学習における自己管理ができない方であればともかく、自己管理ができて勉強が得意な方であれば、本やネットを使って独学でプログラミングを学ぶことは可能です。

 プログラミングの技術や開発の流れを学べることや、知見のある元エンジニアに学習をサポートしてもらえる利点はありますが、それに投資してもいい金額は10~20万円といったところかと思います。コロナ禍においては、リモート講義が主流となったことで、受講生同士の横のつながりができづらくなったことも、スクール利用のメリットが損なわれていると感じます。

 ですから、卒業した後に『どのようなエンジニア求人に受かる可能性があるのか?』を把握せずに、ただ漠然と希望を持ってプログラミングスクールに通うのはおすすめできません。利用する場合は、就職に直結する学習ができるのか確認した上で利用を検討することが大事です。

 弊社でも現状のプログラミングスクールの課題を解消するため、『ウズウズカレッジ』というITスクールを開設しました。就職に直結するJavaプログラミングやネットワーク(CCNA)を、3カ月15万円の比較的安価な受講料で学べ、受講修了後には無料でキャリア支援を受けることができます。もし、今プログラミングスクールを検討している方であれば、検討候補に入れてもらえると嬉しいですね。

 かかる費用とメリットを天秤にかけて、利用するメリットがあると判断できる場合のみ利用しましょう」(森川氏)

 エンジニアとしてどのように働くのかをしっかりとイメージしたうえで、プログラミングスクールに通うべきかどうかを考えるべきかもしれない。

(文=佐久間翔大/A4studio)