リクルートHDのビジネスは3つのセグメントで構成されている。創業事業である販売促進、人材採用支援を行うメディア&ソリューション。2つ目が、これまで成長を牽引した人材派遣。そして、次の主力と位置付けているのが求人サイト、インディードを含むHRテクノロジーである。
2021年3月期連結決算(国際会計基準)は新型コロナウイルスの感染拡大が幅広い事業に影響を及ぼしている。売上高にあたる売上収益は前期比10%減の2兆1496億円から6%減の2兆2446億円の間、営業利益は46%減の1117億円から29%減の1467億円の間、純利益は48%減の930億円~34%減の1182億円の間と減収減益を見込む。未定としていた年間配当は19円と前期(30円)から大幅に引き下げた。
HRテクノロジー部門は順調だ。20年3月期の売上収益は4249億円、営業利益は712億円。短期間のうちに急成長し、この結果、海外売上高比率は45%まで高まった(20年3月期)。数年前には海外売上は数%にすぎなかったのだから様替わりした。
リクルートHD株の時価総額は7兆円。2014年の株式公開当時の約4倍となった。インディード効果といわれている。インディード買収の立て役者である出木場氏が社長に昇格するのは当然の成り行きであり、驚きはない。
コロナ禍の下でバトンタッチした出木場氏は1月13日の会見で、世界のインターネット業界の中では「リクルートは中小企業」と指摘。「同じミッションを持っている会社であれば積極的に話していきたい」と述べ、求職者と求人企業のマッチング分野で優れた技術を持つスタートアップ企業などの買収に意欲を示した。
(文=編集部)