今後は、感染者数の状況次第では景気の回復は遅れるかもしれません。しかし、そのために再び金融緩和が実施されれば、株価にはプラスに働くことも考えられます。景気が落ち込むほど、「半年から1年半ぐらい先には景気は回復するだろう」という見方も強くなります。逆にワクチン接種が進んで景気が早く回復すると、中央銀行が金融引き締めに転換するのも早まります。中央銀行が資産規模を減らし始めたら、要注意です。
すべてを金融緩和で説明はできませんが、コロナ収束に手間取り、景気回復が遅れるほうが、株価の上昇が続く可能性は十分にあります。少なくとも、「コロナ収束=株価上昇」「景気低迷=株価下落」とは決めてかからないほうがよいでしょう。
(文=村井英一/家計の診断・相談室、ファイナンシャル・プランナー)
●村井英一/家計の診断・相談室、ファイナンシャル・プランナー
ファイナンシャル・プランナー(CFP・1級FP技能士)、
宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー、証券アナリスト、
国際公認投資アナリスト
神奈川大学大学院 経済学研究科卒業
大和証券に入社し、法人営業、個人営業、投資相談業務に13年間従事する。
ファイナンシャル・プランナーとして独立し、個人の生活設計・資金計画に取り組む。
個別相談、講演講師、執筆などで活躍。