恋愛では「浮気性は治らない」と、ことわざのようにいわれる。そして確かに、浮気性が治らない人は多い。私の周りでも、伴侶にだけは“かつて遊んでいたけれど、今は落ち着いた感”を演出しながら、こっそり婚外恋愛に励む人のなんと多いことか。家庭で愛を囁きながら、無邪気に“外遊”を繰り返す彼ら・彼女らの二面性にはいつも驚かされる。
他方、浮気性が結婚後に“治る”人もいる。では、その境目はどこにあるのか。これまで1500人以上から人生相談を受けてきた身として、男女別の共通点を挙げていきたい。
【男性版:結婚後、浮気性が治る人の条件】
・彼の男友達に「結婚後に遊ぶのは恥ずかしい」という価値観がある
・お金に余裕がなく、物理的に遊べない
・もともと性欲が弱く、最初から恋人とも性行為をしない
・恋人を選ぶ基準に外見が入っていない
・SNSで「モテたい」「あの子かわいい」など女性への言及が少ない
・口下手、LINEの頻度が低いなど口説くスキルが高くない
・精神的に弱い女性が苦手で、見かけたら避ける
【女性版:結婚後、浮気性が治る人の条件】
・自由時間は独りで趣味に没頭するなど「独り」に満足できる
・仕事や趣味命で、性欲や恋愛欲は薄め
・人から過去のトラウマを聞かされたらその人から離れる
・パートナーへの不満を我慢せずどんどん言う
・恋人が浮気しても「自分もしよう」と思わずに伴侶を詰める
・グイグイ押されてもNOと言える
・恋愛に安定を求めてやまない
と、ここまで浮気性が「治る人」の条件を列挙した。これらの条件を反転させると、逆に浮気性が治らない人の条件もわかる。
浮気性の男性は金銭的に余裕があり、マメに連絡するなど女性ウケのいい行動がとれる。そして年をとっても性欲があり、普段から「あの子、かわいい」「どうすればモテるかな」など、恋愛を意識させる発言・SNS投稿が見られる。金と性欲の強さ次第、というのはストレートでわかりやすい。
さらに、浮気性の男性は「付き合う女性を外見重視で選ぶ」点に注目したい。男性がいくら美人と結婚しても、加齢とともに外見は老いていく。外見、とくに若さを重視する男性は、そこで浮気に走るのだ。
対して、浮気性の女性は、「寂しがり」なのが大きなポイント。女性は性欲で積極的に浮気をするというよりも、パートナーがかまってくれない寂しさを埋めるための浮気が多い。そのため、独りでも趣味に熱狂できたり、仕事命だったりする女性は、そこで精根尽き果てて浮気に至らない。
もちろん、寂しがり=全員浮気する、わけではない。夫に「寂しい! もっと構って!」とストレートに言えるタイプは、浮気の前に夫婦で話し合う道を選ぶ。また、女性の場合は自分から浮気するより「誘われてどうするか考える」受け身なケースが多いため、そこでNOと言えるタイプは、浮気しない。
まとめると「寂しがりで、押しに弱く、不満を伴侶へ言えず我慢するタイプ」が女性の浮気では危険信号だ。
では、浮気性の人と付き合ったら、もう諦めるしかないのだろうか? 答えはノーだ。もし伴侶が浮気性を治す気がないならどうしようもないが、「自分だってどうにかしたいけれど、浮気してしまう心理がある」のならば、道はある。
過去に、認知行動療法というカウンセリングの技法で浮気性から脱却した人の話を聞いたことがある。認知行動療法では、人によって違うものの受け取り方(認知)を明らかにして、生き方を楽にする療法で、別に精神疾患でなくても受けられる。
ストレスがたまったとき、不満が生まれたときどうやって対処しているのか。自分のことをどうとらえているのか……など、物事の受け取り方を洗い出して、問題行動に対処していく。
認知行動療法に対応しているカウンセラーであれば、オンラインでもカウンセリングを受けられる。ぜひサービスを探してみてほしい。
このレベルまで真剣に話し合って検討できる夫婦であれば、浮気性の問題も手を取り合って乗り越えられるはずだ。夫婦関係を壊すのは浮気そのものではなく、話し合いができない環境なのだから。
(文=トイアンナ/ライター)