すると男は、「私を侮辱しているのか」「なぜ出ていかなければならないんだ」などと怒り始め、やむなくオーナー氏は警察を呼ぶことにしたのだとう。
「10分程度で警察が到着して、取り囲んで説得に当たってくれたんですが、それでも男は出ていかず、えんえん押し問答が続いたんです。男も暴力行為に及ぶわけではないので、警察側も強制的に連れ出すわけにもいかないようで。結局1時間ほどしてやっと出ていってくれたのですが……いやはや本当に変わった方で、こちらもほとほと困ってしまいましたね」(名酒センターオーナー)
危うく不正の片棒を担がされそうになったというわけだが、飲食店としては、Go To イートキャンペーンについてはどのように考えているのだろうか。
「こうした制度を政府が始めてくれたこと自体はいいことだと思っています。もちろん、このGo To イートが完璧な制度だとは思っていません。でも、“穴”が見つかったから埋めて、でも、また“穴”が見つかったから埋めて……を繰り返して、よりよい制度を目指せばいいだけ。だから、こういうことが起こることに関しては、制度が悪いというよりも、やはり利用される方のモラルの問題ではないかと思いますね」
新型コロナウイルスの流行により、名酒センターの経営も劇的に悪化。展開する2店舗のうち、浜松町店は11月29日で閉店することを決心したばかりだという。
「飲食店というのは、そもそも平常時でも損益的にギリギリのところでやっているお店が多い。だから、ちょっとした売り上げ低下が大打撃になってしまいがちなんです。それでも今は、4月5月の頃に比べればお客さんの入りもだいぶ盛り返してきている。このまま、以前のような状態に戻っていければよいのですけどね」(名酒センターオーナー)
これ以上、このGo To イートキャンペーンに関連したネガティブなニュースが聞こえてこないことを願うばかりである。
(文=編集部)