「ひと昔前は、ゲームセンター用のアーケードゲームが、時を経て家庭用ゲーム機に移植されるというパターンが一般的でした。しかし最近は、家庭用ゲーム機で人気を博したあとにゲームセンター用のゲームとなる例も少なくありません。これは、特に格闘ゲームなど特定のジャンルにおいてはゲームセンターでプレイするのが主流だったのが、今では家庭用ゲーム機のほうに軸足が移ってしまっているという状況が背景にある。実際ゲームセンターの数も、業界団体である日本アミューズメント産業協会の調査によれば、1993年の8万7294店舗から2017年には1万3102店舗と大きく減少していますしね」(同ゲームライター)
このゲームライターは続ける。
「で、これと同じ構図が、ゲーム機のゲームとPC用プラットフォームで提供されるゲームとの間で起こっているわけです。例えば、2017年に台湾のゲーム会社が発表した問題作『Fight of Gods』(キリストや仏陀、天照大神、ゼウスなどといったさまざまな宗教・神話上の神々が格闘ゲームで戦うという内容で、イスラム教を国教とするマレーシアでは発売禁止となった)は、Steamでリリースされた後に、ニンテンドースイッチやプレイステーション4でも発売されました。
もちろん家庭用ゲーム機にも、手軽さという大きなアドバンテージがあることは確か。派手な演出が売りの作品など一部のゲームをPCでプレイしようとすると、それ相応のスペックがPC側に必要となります。また、大手メーカーのゲームでは、ゲーム機での発売がPC版より先行しているという傾向もまだ根強い。
だから、私のようなゲーマーは、現状ではまだ、ゲーム機とPCの両方でゲームをプレイするのが主なスタイルとなっています。とはいえ、上記の逆転現象を考えると、やはり将来的にはPCがメインストリームとなっていくんじゃないかなと思いますね」(同ゲームライター)
コアな作品から大作までなんでもプレイできるPCでのゲームプレイが、ゲーマーたちに受け入れられつつあるこの現状。ゲーム機でのプレイに慣れた世代としては若干寂寥の感もあるが、これもまた時代の流れということなのかもしれない。
(文=編集部)