【ドンキの免税売上高構成比上位10店】(19年7月1日~20年6月30日)
順位 店舗名 売り上げに占める免税売り上げの割合
1.道頓堀北館(大阪) 80.5%
2.道頓堀店(大阪) 61.2%
3.道頓堀御堂筋店(大阪) 54.4%
4.国際通り店(沖縄) 48.5%
5.銀座本館(東京) 47.5%
6.なんば千日前店(大阪) 42.2%
7.名古屋栄店(愛知) 40.5%
8.福岡天神本店(福岡) 39.1%
9.京都アバンティ店(京都) 38.7%
10.新宿歌舞伎町店(東京) 37.7%
(道頓堀北館は休業中)
中国からのクルーズ船の寄港地となっている大阪、福岡、沖縄の店舗は、インバウンド御用達の店として知られている。中国人観光客がカネを落とす大阪は、インバウンド景気に沸き、19年4月、ドンキ初の「インバウンド強化店」として道頓堀北館を開店した。
しかし、今年2月以降、訪日観光客が激減し、ほぼゼロになった。インバウンド強化店の道頓堀北館は休業に追い込まれた。道頓堀店の免税売上高比率は19年6月期の71.6%から61.2%へと10.4ポイントダウン、道頓堀御堂筋店は66.5%から54.4%へ12.1ポイント下がった。全店でも9.8%から6.0%に落ち込んだ。今期は免税売上高がゼロになる。どうやって蒸発した免税売り上げを補うのか。
PPIHは9月、商圏ごとに成果主義を取り入れた新たな店舗統治の仕組みを導入する。制度名は「ミリオンスター制度」。約100万人の商圏に1人の支社長を置く。支社長には、商圏内のドンキ、MEGAドン・キホーテUNYなどに対する予算や営業戦略の立案などの権限を与える。支社長は全国で100人ほどになる見通しだ。
各商圏の支社長に権限を委譲し、成績に応じて報酬や処遇を決める。若手を抜てきするなど現場の工夫を引き出し、商圏に最適な品揃えや売り場づくりを進める。売り上げや利益などの成果に応じて成績を評価し、好成績をおさめた支社長には執行役員並みの給与を支給する。一方で下位2割程度の支社長は入れ替えの対象となる。
インバウンドゼロのコロナ禍での環境変化への対応力を高めるのが狙いだ。創業者の安田氏が、創業会長兼最高顧問(取締役)として、ウィズ・コロナに対応した組織づくりの陣頭指揮を執る。
(文=編集部)