ポストコロナをにらんだ消費関連銘柄の上場も目立つ。ロコガイドはウェブやアプリ向けの買い物情報サービス「トクバイ」を運営。コパ・コーポレーションは、テレビやインターネット通販で生活用品を実演販売する“カリスマ・売り子”が所属している。
個人向けオンライン講座や社員教育のクラウドサービスのKIYOラーニングも上場した。ご祝儀相場で、公募価格を大幅に上回る初値をつけた。だが、今後、高値を維持できるという保証はない。過度の人気は、常に「初値天井」になりやすい。最初のハードルは上場初の四半期決算。通期増益の見通しを打ち出せなければ、期待は一気に萎むことになる。
コロナ禍で上場を先送りする企業が多い。
航空会社のスカイマークは15年3月に経営不振に陥り、民事再生法を申請、上場廃止となった。業績の回復を受け、20年の再上場を狙っていた。だが、新型コロナの影響で世界の航空市場が壊滅的な打撃を受けたため、19年10月に行った上場申請を取り下げた。
テーマパーク、ハウステンボスは22年を目標にしていた東証への上場について、1年以上延期する。新型コロナウイルスの感染拡大により客数が激減し、回復が見通せないため。
東芝が約40%を保有している半導体メモリー大手、キオクシアホールディングス(旧・東芝メモリ)は、10月をめどに東証1部上場を目指している。東芝は2018年6月、半導体子会社、東芝メモリ(現キオクシア)を日米韓企業連合」に約2兆3億円で売却したと発表していた。東芝の再建資金づくりの一環として、キオクシア上場後に保有株を段階的に売却する。キオクシアの時価総額は約4兆円。上場すれば今年最大の上場となる。
(文=編集部)