消費者調査会社、リサーチ・アンド・イノベーション(東京・港区)は、同社が展開する家計簿アプリを通じてユーザーの男女約1万人を対象にアンケートを実施した。結果はレジ袋を購入した客は1割を下回り、袋を持参した客が6割を超えた。「有料化でレジ袋の利用が減って、エコバッグなどの活用が進んでいる」と分析している。
セコマは4月1日付で丸谷智保社長(65)が代表権のある会長に、赤尾洋昭副社長(43)が社長に昇格した。11年ぶりのトップ交代である。洋昭氏は実質的にセコマを創業した故赤尾昭彦前会長(16年8月19日死去)の長男。一橋大学商学部卒。伊藤邦雄一橋大学名誉教授はゼミ時代の恩師だ。卒業後マツダに入社。04年、セイコーマート(現セコマ)に転じた。16年2月から代表権のある副社長に就いていた。
昭彦氏は日本で初めて「コンビニをつくり出した男」と言われている。1971年、酒類卸の「丸ヨ西尾」時代に札幌に1号店をオープンさせた。セブン-イレブンの日本上陸より3年早かった。1974年2月、セイコーマートを設立。初代社長となった「丸ヨ西尾」の故・西尾長光氏の西と光の2文字が社名の由来になっている。赤尾氏は、取締役本部長に就任、コンビニ事業を仕切った。セブン&アイ・ホールディングスの創業家である伊藤家と鈴木敏文氏の関係に似ている。
2007年、お家騒動が起きた。昭彦会長(当時)が創業者である長光氏の娘婿の田中誠社長を解任。創業家から社長が出ることはなくなった。内部が混乱する最中、昭彦会長は外部から人材を招いた。それが丸谷智保氏である。同氏は慶應義塾大学卒業後、北海道拓殖銀行に入行。拓銀破綻後はシティバンクに移り札幌支店長などを歴任した。お家騒動の真っただなかの07年、セイコーマートに入社。09年3月に、同じ拓銀出身で社長を務めていた西山政市氏の後任として社長に就任した。
昭彦氏は早くから製造・物流・販売の一貫体制構築を進め、店内調理の「ホットシェフ」や道内各地域にある食品製造企業の子会社化を進めた。昭彦氏が撒いてきた種を開花させ、セコマモデルともいえる体制を実現させたのが丸谷会長だ。
セコマは、都心重視やドミナント(集中)出店を是とするコンビニ大手と一線を画した独自の店舗戦略を採ってきた。大手と比べて住宅街への出店比率が高く、外出自粛による効果で減収の割合が抑えられた。食品の販売に力を入れ地域に根ざした店舗展開を進めてきた戦略がコロナ時代に真価を発揮した。赤尾洋昭氏の新社長としての初仕事がレジ袋無料提供の継続だった。
プラゴミの削減効果として限定的とされるレジ袋の有料化を、コロナ禍で売り上げ不振にあえいでいる今、やる必要があったのか。レジ袋有料化のコストは消費者と流通業者が負っている。過剰包装の見直しなどと一緒にレジ袋の有料化は議論されるべきだったという指摘もある。
(文=編集部)