テレビ局からの人材流出が加速!制作費もギャラも段違い、Netflixやアマプラが引き抜き

「数年前からNetflix、Amazon primeといった外資系のネット配信会社から、各局にコンテンツ料として莫大な料金が支払われていたのです。配信サービスを行う会社は、番組制作のノウハウを先行投資で買ったかたちです。その巨額の外資マネーで各局はだいぶ潤いました。業界人の間では、その額の大きさに驚き『これからはネット配信の時代だな』という声が漏れていました。彼らは、その国々でのテレビの状態を把握して、そこからマーケティングしています。その一貫として、リクルーティングも含まれているのでしょう。いかにも外資企業といった考え方で、理に適っています。動画配信サービスの存在は驚異ですが、逆にこれまで殿様商売だったテレビ局に強い危機感を持たせる結果にもなっています」

 現在は、バラエティやアニメーションなどの分野での流出が多いというが、今後は意外な分野がターゲットになる可能性もあるという。

「それはドキュメンタリーです。これまで日本のドキュメンタリーといえば、制作費も製作期間も人材の数も含め、NHKには立ち打ちできないレベルで民放各局は差をつけられていました。ところが、今後こういった動画配信サービス会社が本格的にドキュメンタリー制作に注力した場合、その質はNHKと遜色ないレベルになる可能性はあるでしょう。少なくとも制作費の面では比肩します。お笑いやドラマ、アニメだけではなく、あらゆる分野の人材が引き抜かれる可能性は否定できません」

 インターネットの発展もあり、新聞や雑誌など多くのマスコミ人がネット業界への転身を果たした。同様の事態がテレビ業界にも間近に迫っているのかもしれない。
(文=編集部)