これが新時代の販売手法なのかと思う。クルマさえシェアリングやサブスクリプションの対象となる時代である。ネットでポチッと購入する時代になっても不思議ではない。だがその一方で、マイカーを所有し、愛車として接してきた昭和のクルマ好きには淋しさが漂う。
日本人にとってクルマは財産に等しい大きな買い物だから、販売員と深い付き合いをし、人間的な信頼関係を築いてから契約書に押印するという段取りを求める。クルマのEV化は、そんな販売方法も変えてしまうというのか。
(文=木下隆之/レーシングドライバー)
●木下隆之
プロレーシングドライバー、レーシングチームプリンシパル、クリエイティブディレクター、文筆業、自動車評論家、日本カーオブザイヤー選考委員、日本ボートオブザイヤー選考委員、日本自動車ジャーナリスト協会会員 「木下隆之のクルマ三昧」「木下隆之の試乗スケッチ」(いずれも産経新聞社)、「木下隆之のクルマ・スキ・トモニ」(TOYOTA GAZOO RACING)、「木下隆之のR’s百景」「木下隆之のハビタブルゾーン」(いずれも交通タイムス社)、「木下隆之の人生いつでもREDZONE」(ネコ・パブリッシング)など連載を多数抱える。