会社で出世できるかどうかは、下についた上司次第と言われることがある。
いい上司に当たれば仕事の実力を伸ばすのはもちろん、いずれ自分を引き上げてくれるかもしれないが、もちろん逆もある。反りが合わない上司、パワハラまがいのことをする上司もいるかもしれない。部下は上司を選べないが、せめて自分の上司はどんな上司か見極める目は持っておきたいところだ。
2017年に出版された『いらない部下、かわいい部下』(日本経済新聞出版社刊)は、数々のビジネス現場を知る人事コンサルタントの新井健一氏が、未来の働き方を見越した上司と部下関係の築き方について解説した一冊。
部下の立場にいる人は、自分がキャリアをつくっていくためのお手本にできるような上司を見極めることが、これからの時代には重要になる。
では、上司との関係を築くとき、上司のどんなところを見ればいいのか。上司と部下の関係を捉えなおす本書では、「無視してもいい上司」と「侮ってはいけない上司」の行動特性を挙げているので、ご紹介したい。
・引き留める上司
このタイプの上司は無視してもいい。自分の身が安泰で、定年を迎えるまでやり過ごせればいいと思っているからだ。これからのビジネスキャリアを自分から仕掛けていこうと考えている部下にとって、役に立たない。
・黙して語らぬ上司
目上の立場を使って自説を主張したがるところを、あえてそうしない上司は見習うべき点がたくさんある。このタイプは侮ってはいけない。上司自身も部下の考え方を参考にして、今後のキャリアマネジメントに生かしたいと考えているかもしれない。チームでプロジェクトに取り組む際も、新たな働き方を積極的に受け入れる余地や適性がある。
・背中を押す上司
このタイプは、すでに新しい働き方を積極的に取り入れ、尚且つもう実践している上司もいるかもしれない。このタイプもやはり侮ってはいけない。
あなたの職場にもこれらのタイプの上司がいるのではないだろうか。上司がどのタイプか見極めるところから始めてみるのがいいだろう。
また、真の勝ち馬に乗る会社員は「出世レース外の上司」を狙うという。ただし、「出世レースに絡んでいなくても、腐っていない」と「仕事ができること」が条件ではある。「競争のないところで勝ちを拾う」という意味で、「出世レース外の上司」に目をつけるべきなのだ。
どんな上司を見習い、ついていくべきか。会社の中だけでなく、自分自身の生涯キャリアプランを考える上でも重要なことだろう。良い人間関係を築き、仕事にも活かせるように、本書から上司を見る目を養ってはどうだろう。(T・N/新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。