任天堂は、2024年11月6日に開催された経営方針説明会にて、Nintendo Switchの後継機種(次世代機)に関する情報を発表した。
この情報はX(旧Twitter)でも公開され大盛り上がりしたのだが、別に次世代機が発表されたわけではない。ではどういう情報だったのかというと、次世代機ではNintendo Switch向けソフトも遊べるというものであった。
いわゆる下位互換が発表されただけなのだが、にもかかわらずこの話題は非常に話題になっている。次世代機の正式発表でもないのに、なぜ衝撃となったのだろうか。
理由はいくつか考えられる。ひとつは任天堂の次世代機の発表がまだで、ユーザーがとにかく情報に飢えているからである。
Nintendo Switchは世界で1億4600万台ほど売れており、非常に盛り上がっているゲーム機だ。一方で発売されてから7年以上も経過しており、これは家庭用ゲーム機としてはかなり長い時間となる。
2025年3月までに次世代機の発表が行われると明らかになっているため、いつ正式発表があるか多くの人が心待ちにしている状態なのだ。そこにポジティブな話題が降ってくれば喜びもするだろう。
もうひとつの理由は、任天堂のユーザーアカウントに関する姿勢が変化してきたからである。
インターネットの常時接続が当たり前になってから、家庭用ゲーム機でもアカウントが必要になった。任天堂の家庭用ゲーム機ではWiiから常時接続になり、ゲームソフトのDL版などが当たり前になっている。
しかし、互換性は貧弱だった。Wiiで買ったソフトをWii Uに引き継ぐこと自体は可能だったが、ローカルな引っ越し作業が必要である。いまではアカウントに情報が集約されるのは当たり前だが、そういう機能はなかったのである。
アカウントに情報が蓄積されるようになったのは、Wii Uおよびニンテンドー3DSの世代からだ。ただし、Wii UからNintendo Switchに代が変わってゲームソフトの互換性がなくなった。Wii Uでいろいろなゲームを買っても次に持っていけなかったのである。
「Nintendo Music」の記事で書いたように、任天堂はアカウントの重要性を増すような方向に舵を切っている。下位互換でNintendo Switchの豊富なライブラリが遊べるのも話題になった理由のひとつだが、それ以上に任天堂もアカウントをうまく運用していくとわかったゆえの盛り上がりだろう。