ビジネス界の常識や過去の成功体験のない「機嫌がいい」新人が、思わぬアイディアを出して変革のきっかけをつくることもあるだろう。ビジネスの世界では、囚われの少ないフローな「機嫌がいい」人財(「人的資本」の考えにもとづき「人財」という表記にしている)を増やしていくことが成長と変革に強い組織につながることは間違いない。
たとえば、みなさん、考えてほしい。「機嫌がいい」を失い、「機嫌が悪い」ときはチャレンジしにくいはずだし、新しいことをはじめにくいのではないだろうか? 「機嫌が悪い」は、固定概念の檻の中に人を閉じ込めているのと一緒だからだ。
一方で「機嫌がいい」は、変化を受け入れやすいだけでなく、変化を自らもつくりやすくなる。大人になればなるほど、さまざまな経験が邪魔をするので、努めて「機嫌がいい」状態を自分のものにしていかないと変化の時代に乗り遅れてしまうことにもなる。
社会は、新しい変化や変革を生み出すことに全力が注がれている。社会そのものには囚われや固定概念を生み出す心の状態がないからだ。
社会は、人ではないので心がない。実際に社会は産業革命だけでなく、昨今ではインターネット革命、デジタル革命やChatGPTなどのAI革命をはじめ、どんどん進んでいる。そんな社会の変革のスピードの中で、人の心の状態はそのスピードについていけない。人々の中にさまざまな変革が常識化するまで、人の「固定概念」が邪魔をしているのだ。
囚われの激しいわたしのようなおじさんは、なかなかデジタルの変化についていきにくい。すぐに「昔は~」と言って、無理や難しいを持ち出して、自分の変化を拒んでしまうのだ。このような変革の激しい時代だからこそ、人は「機嫌がいい」状態を意識して保持していく必要がある。むしろ、「機嫌がいい」人こそが、この時代に生き残っていけるのだといえるだろう。
「NO GOKIGENN, NO INOVATION」「NO KIGEN GA II, NO GROWING」だということを、これからの時代は肝に銘じておこう。
変革に強い組織のためには、ごきげんな「機嫌がいい」人を社内に増やしていかなければならないし、成長できる人財でいたいのなら「機嫌がいい」状態を大事にしていかなければならないのだ。結局は、それが自身のためでもあるし、組織やチーム、会社のためにも重要な心がけとなっていく。