Dさんは、この取材で得た大きなヒントは、そのままプロモーションに活かせるのではと考えました。でも、どう伝えればそれが最も魅力的に伝わるか悩みました。文章で書いてパンフレットやポスターにするだけでは、せっかくのワクワクが伝わりきらないかもしれない。せっかくリアリティのある貴重な意見を回収できたので、それも活かしたいところです。
そこで使える発想が【「細部で語る」の型】【「物語化」の型】です。
Dさんは、「ある主婦と高校生の女の子をそれぞれ主人公にした2つのストーリー」の中で、彼女たちがそれぞれの目線でマルシェ体験を語る、というコンテンツをつくりSNSで発信することにしたのです。
みんなに当てはまることを最大公約数的に表現すると、曖昧でぼんやりしたものになってしまう。あえて具体的な2人のケースを取り上げることで、くっきりと伝わりやすくする。それが物語として追体験できるコンテンツになっているので、自分ごととして感じることができるようになりました。
さらに、SNSの投稿の冒頭に、続きのコンテンツを見たくなるような、こんな「予告」をつけました。
「ある主婦の、ある女子高生の、ちょっとハッピーな週末の過ごしかた。
とれたて野菜とおいしいごはんが集うマルシェが、あなたの休日を変えるかも?」
キャッチコピーのようでもありますが、要は、中身で語っていることを少しだけ覗かせて、続きをもっと見たくなる表現に変えているだけです。週末の予定を探している主婦や若い子が、興味を引かれる内容になっているのではないでしょうか。