こんにちは。生きやすい人間関係を創る「メンタルアップマネージャ?」の大野萌子です。
現代は過剰なほど「ネガティブな感情」になりやすい環境と言えます。
・親の世代よりも一層変化が激しくなり、誰も正解を知らない世の中
・働き方が多様化し、会社ではなく自分で決めなければいけないキャリア
・タレントやインフルエンサーの活躍に憧れ、比較が止められないSNS
上に挙げた以外にも、誰もが少なからず、さまざまなシチュエーションでネガティブな感情に悩み、苦しんでいるのではないでしょうか。
ですが、2万人以上のカウンセリングを行ってきた私が強く思うことは、感情には良し悪しはないということです。よって、不快やつらいと感じることも捉え方を変える、つまり「感情の置き場所」を整理することによって払拭できることがあります。
そのための方法を、拙著『ネガティブな自分のゆるし方』より、考え方やTODOを一部抜粋、再構成してお届けします。
ストレスを感じやすい現代社会では、誰もがこうした「ネガティブ感情」を心のどこかに抱えて生きています。
心配、モヤモヤ、嫉妬、ねたみ、焦り、悲しい、寂しい、つらい、苦しい、物足りない、失望、孤独感など、感情のバリエーションを挙げればキリがありません。
多くの人はこうした「ネガティブ感情=悪いもの」だと思っていますが、カウンセラーの立場からすれば、それは大きな誤解です。まずはその誤解を解くことが大切です。
あなたの心に浮かんでいるネガティブな感情は、決して悪いものではなく、その感情を「なくしたい」「忘れたい」「どこかに行ってほしい」と考える必要はないのです。
例えば、「明日の会議は遅刻できない。でも電車が遅れたらどうしよう」と心配になれば、「いつもより早く起きて、早い時間の電車に乗ろう」と前もって準備ができます。
つまり、ネガティブ感情は、視点を変えると健全な成長を促す「原動力」につなげられるということです。しかも、心にネガティブな感情が生まれやすい人ほど、その先の成功を自らの力で掴み取るケースも多いと言われるので、ネガティブな感情をなくそうとする必要はないと言い切れるのです。
生きていれば、楽しいことや嬉しいことだけでなく、悲しいこと、つらいことがあって当然です。人の心にはポジティブとネガティブ、両方の感情が存在しているからです。
周りから見たらいつも明るく、悩みがなさそうなポジティブな人でも、実は人に話せない悲しい過去を抱えていることもありますし、ネガティブ思考になりやすい人でも1日の中でちょっとした嬉しい感情が生まれたりするのではないでしょうか
人の気持ちにはこうした両面があるはずなのに、「私にはストレスがないんです」「怒ることなんてありません」と本気なのか、演技なのか自分でもネガティブ感情に気づかないままでいる人に出会うことも多くあります。
しかし、「いつでもポジティブな人」の方が実は危険です。
例えば、周りから「優秀な人」と期待されていた新入社員が、最初はバリバリ仕事をこなして成果を上げたのに、半年後には心がポキッと折れて休みがちになって出社できなくなる。これは本当によくあるケースですが、こうした状況に陥りやすい人こそ「いつもポジティブな人」の典型例です。
その原因として、「ネガティブ感情に気づけないほど心のセンサーが鈍感になっている」、もしくは「自分の気持ちにふたをして向き合えていなかった」のいずれかが考えられます。