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会社を辞めると言いながらずっと辞めない、「辞める辞める詐欺」と呼ばれてしまう人たちは、なぜそんなことをするのでしょう?
会社を辞める発言を繰り返す人は、当然のことですが、会社内での業務や今の自分の役職に不満があります。社内で納得のいく評価をされていれば、会社を辞めたいとまでは思わないはずです。
つまり、「辞めたい」発言をする人は、仕事ができない人や、仕事に対して自信がない人、自己評価の低い人が多い傾向にあります。
中には「辞める」と言うことで、歪んだ形で承認欲求を満たす人もいます。周りが心配してくれたり、相談に乗ってくれたりすると「自分には価値がある」と感じ、満足感を得ることができるからです。
単にストレス発散のための愚痴として「辞める」という言葉を繰り返す人もいます。こちらは、ため込まずに辞めたい気持ちを適度に漏らすことで、気持ちが落ち着いてしまうので、結局は辞職せずに会社に残ってしまうようです。
本当に辞めたい気持ちはあるけれど、一歩踏み出せない人もいます。先ほども書きましたが、「辞める」と何度も言ってしまう人は、仕事ができない人や自信がない人、自己評価が低い人が多いです。そういう人は転職に対しても不安を感じます。
面倒くさがりな人も、なかなか転職に踏み切れません。転職サイトに登録したり履歴書を作ったり、転職先に面接に行ったり、独立を志す人ならさらにやるべきことがたくさんあります。それらを今の仕事と並行してやるのはとても大変なのです。そして「自分に転職先があるのか」という心配もあります。その結果、「辞める」と言いながらもずっと辞められない状況になってしまうのです。
会社を辞めると言うのは簡単ですが、本当に辞める気がないなら、その言葉を発するリスクも考えたほうがいいと思います。頻繁に「辞める」と言い続ければ、社内での信頼も下がるし、印象は確実に悪くなります。
会社を辞めたいと言うのは、「私は今の職場に対して愛社精神がありません」とアピールするようなものです。会社もいつ辞めるかわからない人を昇進させたり、大事な仕事を任せたりすることはできません。社内での待遇はますます悪くなっていくでしょう。
また、「辞めたい」と言えば、上司や同僚は「自分も不満の対象や原因の一端ではないか」と感じます。そうなれば、人間関係もぎくしゃくしていきます。
だから、本当に会社を辞める決意が固まるまでは、「辞める」とは言わないほうがいいのです。できれば次の転職先にメドがつくまでは、今までどおりにしていたほうがいいでしょう。
会社を「辞める」と言えば一時的にはかまってもらえますが、それを切り札に使えるのは一度きりです。繰り返せば確実に社内での居場所がなくなっていきます。少しくらい愚痴を言っても、退社の意思をちらつかせたりしなければ、まだ後ろに戻ることができます。
本当に辞めるつもりはなく、会社への不満を伝えるために「辞める」と言ってしまう人は、自分のためにも不満の伝え方を改めたほうがいいでしょう。