ノンスタ石田が明かす「漫才」と「...
2024.10.31
東洋経済オンライン
たとえば、ムラサキは貧乳がコンプレックスという設定。それをメレブが「ムネタイラさん」などとネタにする。するとムラサキはすかさずキレながらツッコむ。
コンプライアンスへの意識が高まった現在だともはや難しいネタかもしれないが、当時は深夜の放送でもあり、かなり自由にできたところがあった。結局こうした突き抜けたコメディ路線がひとつの原動力になり、テレビ東京は深夜ドラマの一時代を築くことになる。
演出もあってのことだろうが、『勇者ヨシヒコ』シリーズのヨシヒコをはじめとした面々には、共通して「真顔」の面白さがある。真面目な顔でとんでもないことを言ったり、冷静にツッコんだり、毒舌になったり。
体の動きも大げさにするとか、いかにもコミカルにギャグっぽく振る舞うわけでもない。だがだからこそ面白い。いわば全員が、「真顔」の演技の達人である。
作風は異なるが、『うちの弁護士は手がかかる』のムロツヨシの演技にも、また『セクシー田中さん』の木南晴夏の演技にも、「真顔」の表現力がより豊かになっているのが感じられる。『勇者ヨシヒコ』シリーズのDNAは健在だ。