ところで、みなさんは「ビュリダンのロバ」という話を知っていますか?フランス中世の哲学者のビュリダンが考えた話です。
「昔、あるところに賢いロバがいました。ロバの前には2つの道があり、1つにはたくさんの干し草が、もう1つの道にもたくさんの干し草があります。ロバにとってはどちらも同じくらいの御馳走です。
さて、このロバはどんな選択をするでしょうか?このロバは頭がいいので、どちらか選ぶことができず、その場で餓死してしまったのでした」
というものです。この話の通り、どんなに頭がよくても、「その場で選択できない」というのはいい結果を生まないのではないでしょうか。
Bタイプは、判断が早いです。考えたうえで「いったんこっちを選ぼう」と選択できます。「答えが出ないから誰かに選んでもらおう」とするわけではなく、自分で考えつつも、とりあえずその道を選べるタイプです。「正しいかどうかわからないが、一度こちらを選ぼう」という決断力があるのです。
このタイプは、モチベーションも持続しやすいです。
例えば「自分は今の成績で東大に合格できるかな?ここで志望校を下げるべきなんじゃないか」と悩んだとして、Aタイプは「うーん」と悩み、勉強が手につかなくなってしまい、モチベーションが落ちてしまいがちです。
対してBタイプは、「まあとりあえず今は東大を目指し続けよう!志望校を下げるにしても、勉強しなければならないのは同じなんだから、とにかく勉強を続けよう!」と、その悩みを断ち切ることができます。
「悩みを断ち切る」ことができる人は、物事を継続しやすく、結果も出しやすいです。「断ち切る」と書いて「決断」であり、人は決断すればそこからは早いスピードで物事に取り組むことができるのです。
英語で「決意する/悩みを終わらせる」というのは「determination」と言いますが、これは「term=範囲」をしっかり決める、という意味になります。ラインをしっかり定めておくことで、「ここから先は悩まない」と考えることができます。
僕は高校生の時に、先生から、こんなことを言われたのを覚えています。
「受験直前期、いろいろ悩むことがあるかもしれない。第1志望に合格できるのか?隣の奴がやっている勉強はどれくらいなのか?自分のやり方は正しいのか?だが、君たちがどんな悩みを抱えていようが、とりあえず3カ月でいいから、何も考えずに受験勉強をしてほしい。余計なことは一切考えず、悩みを捨てて、いったん突っ走ってみるんだ。そうしたら、きっと違う景色が見えるはずだ」と。
この言葉は、僕はとてもいいアドバイスだと感じました。僕自身とても悩んでいて勉強が手につかないこともあったのですが、この言葉に救われたように感じます。
ということで、「悩みを持ち続ける」のではなく、「悩みを断ち切る姿勢」が大事だと言う話でした。「結果を出す人」とは、「判断の早い人」です。悩みを断ち切ってすぐに判断し、その判断を信じて努力を続けられる人が、東大に合格しやすいのです。