だから、他者に対し、積極的にリアクションやコメントを付けるアカウントには「ボーナス」が与えられるのです。
たとえばシンプルな例をあげると、AさんがBさんに「いいね」をすると、その後、BさんのタイムラインにAさんの投稿が多く表示されることになります。これが「ボーナス」の一例です。
このように、SNSには「他者に貢献すればするほど、自分にもベネフィットが返ってくる」というロジックが組まれています。
実社会の人間関係においても「TakeよりもまずはGiveする」精神が重要だといえるでしょう。SNSの場合は、それが理想だということにとどまらず、実際の仕組みがそのようになっているのです。このことは、ほとんどのSNSプラットフォームに共通する方針です。
その意味では、SNSアルゴリズムとは結局、自然の摂理や人の社会のあり方をロジック化したものにすぎないともいえます。
人が集まるコミュニティーにおいて、常識的かつ好ましい行動を続けると、そのぶん正しく評価され、信頼もされるということです。
SNSをビジネスに活用するためには、「外側」の動きである投稿や交流の質を上げることが重要ですが、一方で「内側」かつ1 to 1のアクションとしてDMを活用することも大切です。
しかしながら、このDMの活用について、よくない事例を見ることが多くあります。それは他者との関係性が構築できていない状況において、いきなり営業色の強いDMを送り付けてしまうことです。
LinkedInやFacebookにおいては、フォロー機能以外に「つながり申請」や「フレンド申請」の機能があり、他者と「知り合いとしてつながる」ことができます。
このときに割とあるのが、他者からのつながり申請を承諾した瞬間に、テンプレのような営業DMが送られてくることです。
そのようなDMを送る側としては、テレアポの延長の感覚でやっているのかもしれません。膨大なリストを元にひたすらアポイントの電話をかけ、相手が反応してくれたらすかさず売り込みやアポイント依頼をしてしまう。
これは、組織的に行われているケースも多いようです。このようなDMを送ってくる人の所属社名を見ると「またあの会社か……」ということがよくあります。
そのようなマイナスの情報はSNS中に広がりますし、たんに会社のイメージを悪くするばかりで、営業的な効果もほとんどありません。
SNSで何かを提案するためにDMを送る際には細心の注意が必要です。
テレアポのような「焼き畑」型のアクションは、SNSにおいては履歴として残ってしまいます。その結果、個人や法人としてのブランドを毀損してしまうことになりかねません。
また、SNSの個人アカウントは、いずれ自分が転職・独立したとしてもずっと自分のものです。
それは自分の「分身」だともいえるくらいの存在かもしれません。それほど大切なものが、多くの人から悪く見られてしまうとしたらどうでしょうか?
SNSでは、長期的な信頼構築や交流が重要です。
そのことを肝に銘じ、他者との関係においては、できるだけプラスになるようなDMの送付や1 to 1のコミュニケーションを心がけることこそが大切だと思います。