ダラダラするのが「ダメ」と言いたいわけではありません。私もダラダラするのは大好きで、スマホでボンヤリと動画を眺めたり、ネットサーフィンをすることもありますが、それはプライベートな時間だから面白いのであって、仕事中にダラダラしていても、少しも楽しさを感じません。
仕事中のダラダラは集中力が分散している状態ですから、仕事が短くなることも、成果が上がることもないのです。
ダラダラする時間は貴重ですから、その貴重な時間を失わないためにも、仕事の時間はタスクに集中することが合理的な考え方だと思います。
仕事の時間にダラダラすると、楽しいダラダラの時間がなくなってしまうのです。
また、仕事が思うように進まないと、心が折れそうになったり、弱気になってしまうことがあります。精神的に不安定な状態が続くと、仕事が遅くなるどころか、あらゆることが面倒くさくなり、ネガティブな考え方しかできなくなります。
そんなときは、無理して前を向こうとせず、一度立ち止まって、冷静に自分の状況を見つめてみることです。
私も何度となく心が折れたことがありますが、その度に立ち直ることができたのは、「これは当たり前の状態なのか? 特別に不幸な状態なのか?」と自分の置かれている状況を「引きの目」で見る習慣が身についていたからです。
私は学生時代に、バイク事故で死にかけたことがあります。そのときに思ったのは、「人間はいつでも死ぬ可能性があるんだな」ということです。
それは、「感覚知」(人が体験で得られる感覚的な知識)として、つねに私の頭の中にしっかりとあります。
人間の死という、最高レベルの不幸な出来事すら、ごく普通に起こるのであれば、心が折れることなど、「起こって当たり前」と受け止められるようになったのです。
私はつねに、「明日、死んでもおかしくない」と思って生きていますから、日常的に遭遇するネガティブな出来事など、ごく普通に起こるものだと考えています。必然というよりも、それが平常なことという認識です。
誰にとっても、ネガティブなことは平等に起こるはずですから、おそらく99%の人が心が折れそうになったり、弱気になったりを繰り返していると思います。
うまくいっているように見える人でも、その様子を周囲に見せないようにしているだけで、誰もが悩みを抱えているのが普通です。
どんな優秀な人でも、ネガティブな出来事に遭遇します。それを特別なことと思って過剰に反応するのではなく、「よくあること」と鷹揚に受け止めることが、仕事を短くやるためのマインドセットになります。