端的に言語化すれば、人は誰しも「What?」「Why?」「How?」の3種類の疑問を抱き、これらが解消すると「わかった」という納得感が生じる。
だからこそ、どの「紙1枚」資料も、煎じ詰めればこの3つを最小単位にして構成されているし、そうであるならば、いついかなる目的でどんな資料を作る際にも、何項目もテーマを設定するのではなく、この3部構成1パターンで作成していけばいいのではないか。
その後、実際に「What?」「Why?」「How?」という「3」を軸にした資料で報連相やプレゼンを実践したところ、「いつも説明がわかりやすいね、ありがとう」と言われるようなコミュニケーションスタイルを確立することができました。
詳しくは、2017年に上梓した拙著『「いまの説明、わかりやすいね!」と言われるコツ』(サンマーク出版)にまとめていますが、本書の文脈で強調しておきたいことは、このまとめ方・伝え方であれば、どんなタイプの人にも有効だという点です。
まさに、タイプ間の垣根を超え、相互理解に至れる「共通言語」の本質。それが、「What?」「Why?」「How?」という3つの疑問を解消しながら行っていくコミュニケーションなのです。
そこで、この本質をビジネススキルとしてフレームワーク化し、トコトン再現性を高めたのが、次の「紙1枚」となります。一番上の「What?」「Why?」「How?」の順番は、テーマに応じて変えてください。
これから、この「紙1枚」をどのようなカタチで部下とのコミュニケーションに役立てていくのか解説していきます。ただ、どうかその前に。くれぐれも、いきなり部下に「今後はこのフレームで報連相しなさい」などと言わないようにしてください。
それでは、この「紙1枚」の活用法を紹介していきます。
まずは、「部下の背景が多様になり、何を感じ、考えているか掴みにくい」あるいは「考えを述べさせても、話が要領を得ず何が起きているか把握できない」という悩みに活用してみましょう。
あなたが部下の相談を受けていて、イマイチ何が言いたいのかわからないといったことが起きたとします。
そんな時はすかさずこの「紙1枚」を紙に書くなり、ホワイトボードに描くなり、デジタル版をZoomやTeamsで画面共有するなどしてみてください。
フレームを準備できたら、次の3つの問いを立てて、まずは部下ではなくあなた自身が、部下に成り代わって埋めていく姿を見せていきましょう。
こうした問いを記した「紙1枚」を部下に見せ、「ちょっとこれを埋めながら整理したいんだけど、まず何を相談しようとしているのか改めて話してもらってもいい?」と言って、コミュニケーションをリスタートしてみてほしいのです。