プロでなくとも、趣味で絵や歌、作詞作曲している方なら、作品をデジタルデータにしてNFT化してビジネスにできるチャンスがあります。
自分は、NFT化できそうな仕事も作品化できそうな趣味もない……という人もいるでしょう。
でも、ほかにも手はあります。例えば、AI(人工知能)を使うという方法です。進化したAIのサービスがたくさん出てきましたが、芸術の分野での実装も進んでいます。言葉の指示から画像(絵)を描くもの、短い文章から動画を作るもの、言葉の指示から作曲をしてくれるものなど、さまざまあります。
AIを使った作品作りの中でも、象徴的な存在がAIアートです。文字を入力するだけで、AIが絵を描いてくれるのです。特にオススメなのは、Midjourneyです。
それまでもAIが絵を描くものはありましたが、そこまで話題にはなりませんでした。Midjourneyが特に注目を集めたのは「人の期待を超える作品」を描いてくれることでしょう。例えば、「犬」や「dog」と入力すると、どのAIアートでも犬は描いてくれます。しかし、それまでは私たちが「犬とはこういうものだ」というある程度想像したとおりのものしか描けませんでした。しかしMidjourneyは、簡単な指示を入れただけでも期待を超えた「芸術的な絵」を描いてくれることが多いのです。
それで「これはすごい!」「おもしろい!」と多くの人が話題にし、自分が作ったものをSNSなどでシェアすることで、認知がどんどん広がっていきました。
次に紹介するのは、私がMidjourney で描いた「龍神」の絵です。私は龍が好きなので、試行錯誤しながら作ってみました。私は学校の美術の授業でしか絵を学んだことがない素人です。そんな私でも、言葉の指示を工夫するだけでこのような芸術的な作品が制作できるのです。
私はこのような龍の絵をMidjourney で作り、NFTにして1点1万円で販売しました。すると5日で15作品すべてが完売したのです。AI×NFTという最先端の技術を組み合わせることで、新しい稼ぎ方ができることを実感しました。
私のように絵を描く才能やスキル・経験がなくても、こういう作品を作れるのです。試さないのはもったいないです。ぜひ使ってみましょう(Midjourneyの公式サイト)。
ここで、AIを使って作品を作り、NFT化するときの注意点を3つ、解説します。一つめの注意点は、生み出した作品の著作権が制作者のものになるサービスを使うことです。
サービスによっては「作品の著作権は、サービス側にあります」と規約に書かれているものも多いです。そのようなサービスを使って作った作品をNFT化してしまうと、著作権違反になってしまいます。
例えば、先ほど紹介したMidjourney は、無料版で作成した絵の著作権などの権利は、制作者のものになりません。10ドル/月(2023年3月現在)からの有料プランだと、権利は制作者のものになります。NFT化するときは、必ず有料プランで作成しましょう。
二つめの注意点は、AIで手軽に作成しただけでは、著作権が認められない可能性があるということです。著作物とは「思想または感情」を「創作的」に「表現したもの」です。例えばMidjourneyで「dragon」と1単語だけ入力して出てきたドラゴンの絵が、はたして「思想または感情」を「創作的」に「表現したもの」と言えるのか、ということです。逆に、作成に人間がどこまで関わったら著作物と言えるのか、という話でもあります。これについては、国によっても解釈が違い、議論が今まさにされています。
少なくとも「こういう作品を作りたい」という意図を持って作り、入力する言葉をいろいろ試しながら工夫しながら作品を完成させる必要があります。
三つめの注意点は、文字や文章などで指示するときに「作家名」や「作品名」を入れないことです。入れると作風を真似してしまいます。著作権の中に著作者人格権があり、その中に「同一性保持権」があります。人の著作物を勝手に真似たり、改変したりしてはいけないのです。著作権は国によって考え方や基準が若干異なります。NFTはグローバルに転売できるため、AIアートで作家名や作品名を入れての制作はしないほうがいいでしょう。
以上の注意点を守り、ぜひ、自分ならではのオリジナルの作品を作ってNFT販売にチャレンジしてみてください。